ジェノサイドのあらすじ・作品解説
ジェノサイドは2011年に角川書店から出版された高野和明による日本のサスペンス、SF小説である。 第65回日本推理作家協会賞長編及び連続短編集部門、第2回山田風太郎賞を受賞、2012年版このミステリーがすごい!1位、第9回本屋大賞2位となった。 この作品は死んだはずの父から死後5日目にメールを受け取り、その謎を追いかける創薬化学を研究する日本の大学院生である古賀と、コンゴで一人息子の治療費を稼ぐため極秘かつ詳細不明の特殊任務の作戦中の元アメリカ特殊部隊グリーンベレーの傭兵のイエーガー、全く繋がりのないはずの二人がそれぞれに想像もつかない驚愕の事実に遭遇することになる物語である。 累計の発行部数が2014年時点で100万部を超えているベストセラーである。 2013年には角川文庫より文庫化され、2014年には、6人の著名人のそれぞれの推薦コメントを掲載した「著名人特別帯セット」が全国書店にて展開された。
ジェノサイドの評価
ジェノサイドの感想
スケール感に圧倒!
冒険とミステリー、SFがうまくミックスされています。ハリウッド映画のような展開で、映像化しても面白そうです。世界を滅ぼすウィルスから突然変異によって誕生した新種の生物。話の折り返し地点くらいからぐいぐい話に引き込まれます。「・・・人間性とは残虐性なのさ。・・」という言葉が重い。人間の醜さ、そして温かさ。現在の人類は、近い将来淘汰されてしまうのか?ボリュームがある本だけれど読みやすく、スリル満載、無理なく読破できるストーリー展開になっている。ただ著者の自虐史感が万人受けするわけではないし誰もにお勧めできるわけではないのが残念。賛否両論を呼ぶと思います。
最高のSFミステリー!
表紙と帯で何気なく購入した初めての高野和明作品。読み出したら止まらない!寝不足覚悟。とにかく面白く、スピード感のある展開にドキドキします。人類滅亡の危機を察知したアメリカ情報機関のネメシス作戦を発端にそれぞれの国で繰り広げられるSFミステリー大作。アフリカのジャングルでゲリラ戦に身を投じるイエーガー、ホワイトハウスで作戦の指揮をとる大統領バーンズや高官達、日本で特効薬の開発を急ぐ大学院生古賀研人。この三人が複雑に入り乱れてのストーリー展開はまるで映画を観ているようです。物語の中心となる超高知能人類ヌースの驚くべき能力に翻弄されていく登場人物の心理描写はとてもリアルで感情移入してしまいます。他の高野作品も読んでみようと思いました。