アルゼンチンババアの評価
アルゼンチンババアの感想
死と向き合って、新しい価値観を見つけよう!
淡々と感情表現に感じられる奥深さ母の死を体験した主人公、みつこの心情と回りの環境の変化を淡々と語っている物語。母の死という衝撃的な現実を、一歩引いて淡々と表現しているが、じわじわと心に響いてきます。人の死による悲しみ、苦しみなどを語る時には、どうしても感情的な表現や、訴えかける強い描き方が多いと思いますが、アルゼンチンババアのみつこは、死に立ち会った事で、母からの贈り物をもらったと表現しています。この本では、理由や原因を記さないで、なんとなくこう感じているという、みつこの独白でストーリーが展開していきますが、理由などわからなくても、読んでいるうちに、みつこの心に、読者はそっと寄り添う事になってしまうのです。そして、薄っぺらい話しにとどめているのではなく、実は奥深い作品だと思います。人が死ぬという事、曼荼羅に隠された父の重い、ユリさんの生きることのスタンス、残された者はどう生きて行けばい...この感想を読む
英語と日本語で
以前、映画化で、話題になった作品なので、手に取ってみました。きれいな装丁です。奈良美智さんの絵や、写真が挿絵になっていて、嬉しかったです。好きなので。また、右ページが日本語、左ページが英語で表記された本でもあります。私は英語が苦手なので、日本語のページしか読んでいませんが、それでも楽しめました。紙も厚い本なので、あっという間に読み切れる感じです。内容自体も、主人公の私、と、その父の石工の父親、と、母親亡き後、父親が転がり込んだ、アルゼンチンババア、と呼ばれる女性、とが主な登場人物で、読みやすいです。石工の父親がアルゼンチンビルに作った、曼陀羅、とても綺麗だろうと想像して、ワクワクしました。また、亡き母のお墓として作った、イルカの墓石、私も欲しいなと思いました。 売っているといいのに。