アルゼンチンババアの評価
アルゼンチンババアについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
アルゼンチンババアの感想
死と向き合って、新しい価値観を見つけよう!
淡々と感情表現に感じられる奥深さ母の死を体験した主人公、みつこの心情と回りの環境の変化を淡々と語っている物語。母の死という衝撃的な現実を、一歩引いて淡々と表現しているが、じわじわと心に響いてきます。人の死による悲しみ、苦しみなどを語る時には、どうしても感情的な表現や、訴えかける強い描き方が多いと思いますが、アルゼンチンババアのみつこは、死に立ち会った事で、母からの贈り物をもらったと表現しています。この本では、理由や原因を記さないで、なんとなくこう感じているという、みつこの独白でストーリーが展開していきますが、理由などわからなくても、読んでいるうちに、みつこの心に、読者はそっと寄り添う事になってしまうのです。そして、薄っぺらい話しにとどめているのではなく、実は奥深い作品だと思います。人が死ぬという事、曼荼羅に隠された父の重い、ユリさんの生きることのスタンス、残された者はどう生きて行けばい...この感想を読む