欲というものはすべて、性欲でも食欲でも睡眠でも、それからお金に関しても、美とか健康でも、きっとそうなんだ、初動の部分を抑えられれば、たいてい抑えられるのだ、というすごいことがわかった。
桑沢カオリ
チエちゃんと私の評価
チエちゃんと私の感想
女性２人の奇妙な同居生活
イタリアに精通していて、イタリア雑貨のバイヤーみたいな事をしている、４２歳独身のカオリさんと、従姉妹の３５歳のチエちゃんとの少し変わった同居生活が、軸の小説です。社会と接点があって、しっかりしているように見えるカオリさんの方が、実はチエちゃんに精神的に依存していて、無職で、家の中にいて、無口なチエちゃんの方が、精神的に自立していて、しっかりしているのかな、と思いました。最後のページにある、第三者から見た、カオリさんの状況の、意地の悪い要約、確かに他人から見たらそうかもしれないけれど、本人が、満たされ、幸せならば、それでいいのでは、と思えました。２人は、おばあさんになっても同居を続けているのかなあ…それもいいですね。そうなるといいな。
ぱきら
チエちゃんと私の登場キャラクター
瀬戸チエ
桑沢カオリ
チエちゃんと私の名言
レストランでいざ食事を始めようというタイミングで、知人の予期せぬ事故の連絡を受けた主人公が、楽しみにしていた食事をキャンセルして病院に向かうタクシーの車中での心境です。
あせるのではなく、あせりがまわりに満ちているから、その匂いがしてきて、影響を受けてしまうのね。
瀬戸チエ
海外で育ったチエが日本に来て、自分の生活や考え方がいかに変化したかを主人公に説明する場面。
