真剣な、遊びの酔いが醒めるまで - 人のセックスを笑うなの感想

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人のセックスを笑うな

4.174.17
文章力
4.00
ストーリー
4.17
キャラクター
4.17
設定
4.17
演出
4.17
感想数
3
読んだ人
5

真剣な、遊びの酔いが醒めるまで

4.54.5
文章力
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
設定
4.5
演出
4.5

題名や珍しい著書名にどきりとして購入したのですが、中身はとてもポップな 青春小説です。 一生懸命な僕と、年上のユリとの恋模様。 ゆるゆるとした空間と会話の中で、幼女と狡猾な大人の女性をいったりきたり するユリと、少年と老人をいったりきたりする、まっすぐで穏やかな主人公のやりとり が、『若者らしさ』そのものを表しています。 激しそうで、激しくない。適当そうでまっすぐ真剣。 激しさと、愛情と、その結末(果てと醒め)が分かっている『セックス』という一連の 流れに添ったような、小説の流れの中で、 まだその熱の中にいたいと感じる、主人公の若さと純粋さと真摯さに、 いつかの自分を思い出しました。 「遊び=真剣」と、とらなくなったのはいつからなのでしょう。 こどもの頃は、本当に真剣に遊んだのに。 日が暮れても、トイレに行きたくても、お腹がすいても、 母親が心配で探しにきてくれるまで。 私達は、かつて、遊びということばを適当に使っていたことはなかったはずなのに。

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他のレビュアーの感想・評価

思わず嫉妬したくなるほどの才能、だそうです。

私にはわかりません。思わず嫉妬したくなるほど、とはどの程度のものなのでしょうか?私なりの解釈としては、簡潔的で後を引かず、すらすらと物語が躓くことなく流れていく技法が羨むを通り越して嫉妬へと生まれ変わるほどの才能なのかな、と思いました。私なりに噛み砕いて噛み砕いて真意に近づこうと努力しました。しかし、私がハッと息をのむほど夢中になり、骨組みにしっかりと肉がついている作品だと唸るほどではなかったため、ここまでの解釈が限界でした。映画化もされましたし、松山ケンイチに永作博美さんはナイスキャスティングだと思いますが、限界でした。私にはヤングアダルトのような柔らかさを持ったこの作品に、読み応えは一切感じませんでした。きっと淡々と物語が進み、物語が動き出すのかな、と思った矢先に終わってしまって、期待が大きかった分味気なく感じたのだと思います。私の過度の期待がいけなかったせいで、私はこの作品を深く...この感想を読む

4.04.0
  • 紫
  • 68view
  • 2129文字
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