奥田英朗らしいコメディタッチのドロボウたち
タイトルから想像した内容とはまるで違った展開「真夜中のマーチ」という可愛らしさを感じるタイトルからして、恩田陸の「夜のピクニック」のような内容の話かなとなんとなく思っていた。そうしたら内容は、それとはほぼ真逆の展開で冒頭から一気に引き込まれてしまった。主人公である健司は、派手好き社交好きの性格が高じて高校の頃からビジネスに手を出し、それが簡単に成功してしまったため、世の中をなめたような態度のいかにもな若者である。ビジネスといってもパーティーを主催して上前をはねたり、女子高生の下着を売ったりと決して人に言えるようなビジネスではないけれど、需要を見抜く手腕は大したもので、そういったもので年齢からすれば不相応なくらいの収入を手にしている青年だ。そしてその健司が主催する美人局目当てのパーティーにひっかかったのが、三田だ。実は全く関係ないのに三田財閥出身のように匂わせて、勘違いした周囲の人間がも...この感想を読む
3.03.0
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