キッチンの感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

キッチン

4.404.40
文章力
4.40
ストーリー
4.40
キャラクター
4.30
設定
4.30
演出
4.20
感想数
5
読んだ人
17

キッチンの感想一覧

吉本 ばななによる小説「キッチン」についての感想が5件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

大事にしたい本

自分の一部のような本ここまで自分の体のような、心のような、手にして開けると懐かしさを感じる本はないと思うほど静かにわたしの中に沈んでいきます。もう知っている物語が愛おしくて大事で、愛犬を愛でるような感情に似ています。可愛らしい内容ではないんですが、ばなな先生がわたしが生まれる前に発表して新人賞などを受賞したこの作品が、旅行から自宅に帰ってきたときのような安心感を与えてくれます。昔のアルバムを開く感覚に近いのかな?他のばなな先生の作品も好きなんですが、強烈なインパクトも大恋愛もしないこの作品が病みつきになって、もう何回読み返したかわかりません。はっきりした理由はありません。でも、わたしはこの作品を一生愛して、自分の子供や将来の孫に与えたいと思っています。今ではなくてはならない本の一冊となっています。みかげ、雄一、えり子さんわたしはえり子さんにいつも励まされます。彼女は男で、正しくは雄一の...この感想を読む

4.54.5
  • 紫
  • 435view
  • 2239文字

ある日突然、大切な人を亡くしたらあなたはどうしますか?

みかげと雄一/キッチンこの物語は、主人公みかげとみかげの祖母の知り合いだった雄一とその母えり子の物語。ひょんなことから、雄一の家に住むことになったみかげ。育ての親だった祖母が亡くなってしばらくした後に、「困ってると思って」と同居を提案してきた変な男の子が雄一だ。そして、みかげもそれを受け入れる。親を亡くし、育ての親だった祖母を亡くし、二度の肉親の喪失で生きることで精一杯になってしまったみかげ。それを救ったのが、雄一と母のえり子さんだ。優しいけどどこか人間味に欠けている雄一。母のえり子さんも「あの子の性格は手落ちがある」と認めてしまうほどである。そして、恋愛どころではなく生きていくことで精いっぱいのみかげ。みかげと雄一の間に『恋愛』の二文字は全く見えない。どちらかというと、恋愛ではなく『家族愛』や『兄弟姉妹の愛』にとても良く似ていると感じる。足りないところを補い合って、助け合って生きている...この感想を読む

5.05.0
  • 櫻井実羽櫻井実羽
  • 473view
  • 2002文字

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