Tugumi(つぐみ)の評価
Tugumi(つぐみ)の感想
はかない強さを感じました
つぐみは身体が弱い。でも、とても気が強い。「私は他の人より死に近い」と自分で言うほどに身体が弱いのに、喜ぶのも、怒るのも、意地悪をするのも、全て全力投球。もしかすると、「死に近い」からこそ、一秒一秒を真剣に生きているから、他の誰よりも全てが力一杯のように見えるのかもしれない。夏の暑い日を全力で生きているつぐみと、彼女を心配し、翻弄されながらも、彼女の一挙一動から目が離せないでいる周りの人の、ある意味で日常を、ある意味で大きな冒険を描いた物語です。淡々と事実を並べたようなその文体が一層、つぐみ、という人物の持つ本当にはかない力強さを感じさせる小説だと思います。