王妃マリー・アントワネットの評価
王妃マリー・アントワネットの感想
ベルばらとの違いを見つけるのもまた一興
「ベルサイユのばら」を読みふけった私としては、架空の人物とされているオスカル様の父であるジャルジェ将軍(作品中ではジャルジェイ)の名前が出てきたり、妹のように可愛がったロザリーが出てきたりとわくわくすることが多かった。マリーアントワネットと言えば「首飾り事件」であるが、そうか、この方法ならだまし取れるな、と納得できた。ベルばらのほうはちょっと無理やり感があったので、小説のほうがスッキリする。フェルゼン(作品中ではフェルセン)とマリー・アントワネットとの恋バナも、もう少しなまめかしいものかと思いきや、マリー・アントワネットへの忠義心にあふれた愛情であったし、いい意味で裏切られた作品だ。最も読み応えがあると感じたのは、視点の変化である。王侯貴族を題材にした書物は、もともとの文献が貴族階級の手になるものが多く、そのため視点も平行というか貴族目線のものとなりがちだ。この作品では売春宿が主な舞台...この感想を読む