上野駅周辺への愛情を感じる作品
軽井沢のセンセによるリアリティ内田康夫氏特有の、著者が小説内に登場人物として出てくるという手法を、嫌がる人もいるだろうし、好きな人もいるだろう。作中の軽井沢のセンセはキャラクターとしても非常にいい味を出していると思う。そして何より表現方法として優れていると感じるのは、小説作品自体を実写化といった別媒体でリアリティを出すのではなく、実在の人物をフィクションに放り込むことでノンフィクションの様な錯覚を覚える点だ。こういう手法は、百田尚樹氏の永遠の0でも、似たような方法が取られている。実在のパイロットの経験談と架空の人物を接触させることリアリティを出している。(百田氏の場合は坂井三郎氏の著書に記載された経験談を拝借したためにパクリだと酷評されてしまったが、私は坂井氏の経験は実体験であり、作品として作り上げた物語ではないので、パクリではなくオマージュだと思う)この作品でも軽井沢のセンセは非常に...この感想を読む
4.54.5
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