最後の最後まで犯人が分からないミステリー
平家の伝説はあまり重要ではないこの作品のツッコミどころは、平家伝説殺人事件というタイトルであるが、実際のところ平家に関する伝説などは、殆どこの作品における殺人の謎とは関係がないという点である。決して歴史ミステリーではない。ただ単に、殺害された二人の男性が同郷で、そこが平家のゆかりの地だったというだけの話である。もっとも殺害された二人の男性が同郷の出ということが、真犯人を推理する上でキーポイントにはなるのだが、特に平家ゆかりの地でなくても、他の場所でも話が成り立ったというレベルで、源平合戦や平家物語のファンが過度の期待をして読むと肩透かしを食うかもしれない。そういった意味では、著者の内田康夫氏がこの作品を平家伝説と名付けたのはいささか謎でもある。浅見光彦らしからぬ行動この作品は内田康夫作品の中でも、女性に縁遠い浅見光彦が出てきたヒロインに対し結婚を意識する珍しい話としてファンにも人気があ...この感想を読む
4.54.5
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