さまよう刃の評価
さまよう刃の感想
心が重くなり、考えさせられた物語・・・・。
東野圭吾シリーズの中でも、一番ではないかと思うくらい、胸が締め付けられ、辛く、悲しい、さまざまなことを考えさせられ、なぜだが最後は涙が止まらなかった。 実際娘を持つ親として、このような事件が起こったらどうしたらいいのか、考えさせられる内容であり、その表現力は凄まじいものであった。 色々な人の心の葛藤や人間模様、そして現代社会の問題になっている少年法、被害者家族の立場、なにも出来ないというその虚しさ・矛盾・怒り・悲しみさまざまなことを考えさせられる物語である。 ただ現実的にここまで警察が神妙に被害者の方に対してまで気にかけてもらえるのかは、疑問である。
正直、重すぎます
娘を殺された父親が犯人たちに復讐する。 映画によくありそうなテーマですが、東野圭吾さんの小説になると一気に重みを増したような感じがあります。 言葉や文章のひとつひとつの表現が重く、いちいつ胸にのしかかってくるような気がしました。一言で言うならば、読み進めるのが苦しいです。 娘をレイプされ殺された父親の哀しみや憎しみは、言葉や文字なんかでは到底表現できないでしょう。しかし、それをやってみせるのが、東野圭吾さんなのです。彼の手にかかれば、人間の、他人にはわからないような暗く陰鬱な感情も、すべて読者に伝わってしまうのです。この文章力は、本当にすごいと感じました。