亡者というのは、そもそも、人が死してのちにその魂魄がなるものだが、あれは、別人に人が死ぬ死なぬにかかはらず、この世にあるものだ
賀茂忠行
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陰陽師、安倍晴明と源博雅のコンビを知ってから数年、「陰陽師 龍笛ノ巻」に収録されていた「首」というそれは、恐ろしい作品が単独で文庫化されているというのを知ってつい本屋で手にとってしまいました。まさに「手に取ってしまった」という感じ。「首」という作品は、1人の姫が好意を寄せてくれる男2人に竹取の翁よろしく、肝試しをさせて成功した方とお付き合いをと言い出したことから、自分もが犠牲となってしまう恐ろしい作品。しかも題名通りに「首」が追いかけてくるのである。それを他の文庫でも挿絵を描かれている村上豊さんの絵がこれでもかというほど、文章に忠実に描かれている。怖くないわけがない。でも面白い。
賀茂忠行
父・忠行が祓殿に息子の保憲を連れて行き、その帰中で諭した言葉。