女子高生が先生を嫌う理由は、正当なものから不当なものまで、少なくとも煩悩の数よりは多くあるだろう。
杉村三郎
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小説レビュー数 3,368件
最近ドラマ化された宮部みゆきさんの小説です。私は地元地方紙で連載されている時に初めて読みました。その時は、「こんな理由で無差別殺人なんてする?」と感じたのですが、現実に目を向けると、世の中には、理由のわからない(当人にとっては重い理由があるのでしょうが)殺人事件があふれています。そう考えると、うすら寒いような地味な怖さを覚えます。物語としては、人のいい編集者が異常なまでに被害意識の強いアルバイト女性の対応をするラインと、小さなコンビニを舞台に飲み物を買って飲んだ人が毒殺される連続無差別殺人事件の容疑者となった被害者の娘と孫娘が真実を追うラインの2本からなり、交わったり離れたりしながら、クライマックスへと続いていきます。わけのわからない怒りに駆り立てられ、人を傷つけ、決して友情を築けずトラブルばかり起こす女性。そして、人生の虚しさに駆り立てられ無差別殺人を起こす青年。まさしく、現代の闇そ...この感想を読む
よみがな:すぎむら さぶろう 性別:男性 所属:今多コンツェルングループ編集部員 特徴:事件を呼び寄せる 家族:妻(奈穂子)と娘(桃子) 苦手な人:“氷の女王"(会長室の第一秘書) 実家との関係:絶縁 周囲の評価:逆玉の輿 憧れていたもの:屋根裏部屋 妻との出会い:九年前、銀座の映画館で、ちょっとしたアクシデント...
よみがな:いまだよしちか ニックネーム:若いころは「猛禽」と呼ばれた 年齢(作品時):八十歳 性別:男性 住まい:世田谷 所属:今多コンツェルン会長 性格:慧眼 特徴:鋭い目、鉤形の眉 子ども:息子二人、娘一人 贔屓店:銀座にある紳士服の仕立て屋「キングス」
よみがな:あきやましょうご 年齢(作品時):三十二、三 性別:男性 所属:ジャーナリスト 性格:凄く頭の切れる、自信家 特徴:若々しくハンサム 物語上での目的:連続無差別殺人事件を取材 仕事内容:社会問題を題材にした硬派なルポ 仕事場:五反田のオフィスビル いとことの関係:秋山が東京の大学に入り従兄(五味...
杉村三郎
事件の遺族である女子高生が、気持ちを整理するために書き物をしたら良いとすすめた杉村の元へ「先生は嫌いだから」と訪れた際の杉村の思い。
今多嘉親
嘉親が事件の遺族である女子高生の無力感を思い、彼女をサポートする立場である杉村に伝えた言葉。
杉村三郎
小説終盤、杉村が人間そのものが毒(恐怖)であるとの考えに達し、我々の内にある毒に抗う術を知りたいという思いの中の表現。