つくもがみがいい味だししてます
『しゃばけ』シリーズの畠中恵さんの江戸時代作品の1つです。タイトルどおり、古道具屋の血のつながらない訳あり姉弟が貸し出す古道具の中に紛れている妖怪『つくもがみ』が、姉弟をトラブルに巻き込み、またそのトラブルの解決に一役買うという、一風変わった謎解き物語です。この『つくもがみ』たちが個性的で、すごくいい味を出してます。おだてに弱かったり、へそを曲げたり、噂話に興じたり、とにかく人間臭いんです。それに対する、古道具屋姉弟、特に弟の反応も、まるで人間を相手にしているかのようで、事件の内容もそれほど重い話はなく、全体的にほのぼのしていて、まさしく畠中ワールドという感じです。最後には、訳あり姉弟の仲がちょっと進展したりするのですが、それもまた初々しくて、楽しく読める作品です。『しゃばけ』もお勧めですが、気楽に読めるこの作品もぜひお勧めなので、シリーズ化されている『しゃばけ』を読もうかどうか迷っている人は、この作品から入って、畠中ワールドを知るのもいいかなと思います。
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