万能鑑定士Qの事件簿 IIの評価
万能鑑定士Qの事件簿 IIの感想
ハイパーインフレ、ここに完結
『万能鑑定士Qの事件簿』ファーストエピソード、完結編『万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ』より続いた不可解な事件が、ようやく『万能鑑定士Qの事件簿 II』で全て収束する。相撲シール、失踪した工芸官、偽札騒動…これら全ての糸が繋がり、最終的に明らかになった犯人は意外すぎる人物だった。犯人を追い詰める莉子は弁舌巧みで澱みがなく、一巻で頻繁に描写されていた間抜けだった頃の彼女とはまるで別人のようだ。むしろ一巻で度々莉子の過去が描写されていたからこそ、二巻の爽快感があるという見方もある。いずれにしろ、『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズのスタートとしては申し分ない面白さで、堂々のフィナーレを飾ったといえるだろう。二転、三転するストーリーは好みが分かれるかさて、『万能鑑定士Qの事件簿』は人気シリーズとなり、このファーストエピソードとなるハイパーインフレ騒動のあとも数々のエピソードが読者を楽しませる。ちなみに、『万能鑑定...この感想を読む
力士シールの謎、破たんした日本経済シーンの謎、解明!
『万能鑑定士Q』シリーズの2作目で、1作目から続く物語の完結編となります。1作目で、経済が破たんし、恐ろしいまでのインフレとなった異次元の日本のような世界を描いて終わった謎がようやく解けます。そこには、力士シールの謎がちゃんとからんでいるのです。作品として、やや後味の悪い終わり方をするので、個人的にはあまり好きになれなかったのですが、1作目と同様、独特の世界感、個性的なキャラクターは、決してできがわるいということはありません。好き嫌いの問題なので、はまる人ははまると思います。万能鑑定士である凛田莉子の観察眼や直観力は、もちろん最後まで冴えわたり、傷つきながらも、事実を的確に暴いていきます。