オリエント急行の殺人のあらすじ・作品解説
オリエント急行の殺人の殺人は、1934年に発表されたアガサ・クリスティの推理長編小説で、探偵役のエルキュール・ポワロのシリーズの中では8作目になる。各国に人気を博し、多数の翻訳や映像化がなされている。 舞台は、中東方面の事件を解決したポワロがヨーロッパに帰る際のオリエント急行の一等車両である。夜間、中央ヨーロッパの辺りで積雪による立ち往生する中、多数の刺し傷を負った被害者のラチェットの遺体が発見された。国籍も階級も異なる乗客や乗員には、なんの関係もないと思われたが、被害者の部屋に残された手紙の燃えかすから状況が一変していく。 この作品の面白さは、容疑者の意外性もさることながら、ポワロの入念な捜査と観察力、推理力によって一つずつ解明されていく過程にある。最後にポワロは乗客達を集め、丁寧に説明し2つの結果を提示する。ポワロは、真実の究明と被害者の起こした事件による容疑者の悲しみの間で、事件の解決策を迫られる。尊大で気取り屋と評されながらも、ポワロの心の優しさがうかがえる。
オリエント急行の殺人の評価
オリエント急行の殺人の感想
個人的には一番の結末
この作品は実際の誘拐事件を通して書かれた作品だそうです。さすがに2013年ですのでこの作品の犯人も勘がいい方はわかると思います。ですがそこからのポアロの決断こそがこの作品の素晴らしさを出しているところでしょう。個人的には大好きな終わり方です。犯人を見つければいいというわけではない。殺人にもいろいろな理由があるということ。この世にはどうしようもないクズ人間だって生まれてくるということ。そういうことを考えさせてくれた作品です。そしてトリックも分かりやすく驚きもありました。アガサ・クリスティー作品でも一番の作品だと私は思っています。お勧めの一冊です。ミステリー好きの方もそうでない方にも読んでもらいたい一冊です。