そして誰もいなくなったのあらすじ・作品解説
そして誰もいなくなったは、イギリスの作家アガサ・クリスティ作の長編小説である。イギリスでは新聞、アメリカでは雑誌に連載された後、イギリスとアメリカで刊行された。表題が人種差別につながるとして、変更されたと言われている。 舞台はイギリスのインディアン島で、見知らぬU・N・オーエン夫妻に招かれた召使と客の10人の男女が島に閉じ込められ、次々に殺されていく様子を描く、一種の密室殺人事件である。 晩餐会で謎の声にそれぞれの罪を糾弾され、殺人が遂行される毎に、10人いたインディアンの人形が1人ずつ減っていく。その様が童謡の「10人のインディアン」に見立てられている。 真犯人は最後の1人ではなく、生き残った人物は真犯人の用意した首つり台を見て、精神的に追い詰められ自ら首をくくってしまう。 最終章で真犯人の手記が発見され、奇妙な殺人事件の経緯が判明する。巧妙な伏線の張り方に、何度読み返してみても楽しめるミステリーである。
そして誰もいなくなったの評価
そして誰もいなくなったの感想
ミステリーの”祖”
世界のミステリーの代表アガサクリスティーはこれまでに無数のミステリー小説を出版してきた。品揃えのある大型書店などに行けば、その数が他のミステリー作家たちとどれくらいの差をつけているかが伺える。それはまさにおびただしい数だ。そしてそれらの作品はただやみくもに書かれたものたちではなく、言うまでもなくそのどれもが良作だ。そしてその大量の良作の中から最も多く読者に選ばれた作品がおそらくこの「そして誰もいなくなった」だろう。その数の多さからアガサクリスティの作品はしばしばランキングが集計されたり、その人気を計る機会が設けられるが、この作品はほとんどすべてのランキングに入ってくるだろう。そのくらいこの作品は世界中で愛されている。ちなみにいうと私はアガサ作品をいくつかにタイプ分けしたときに、この手のタイプの作品はあまり好きではない。斬新でいい意味で評価が二分する「アクロイド殺し」や、鮮烈なトリックだ...この感想を読む
有名な作品
まったく関係のない男女10人がとある島に呼び出されそこから事件は始ります。アガサ・クリスティーの代表作と言っていい作品です。今でこそ色々な作品で見るような設定ですが、やはり一番有名で読みやすいのはこの作品だと思います。内容は知らないけど名前なら知っているという人も多いのではないでしょうか。人が順番に一人ずつ殺されていくのですが、人が殺されるたびに人形が消えていくというのも不気味さを感じさせます。人にお勧めできる素晴らしい一冊です。まだ読んでいない方はぜひ手にとってじっくり腰を据えてからこの作品の題名をしっかりと頭に置いて読んでいくことをお勧めします。