裏庭のあらすじ/作品解説

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裏庭

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裏庭のあらすじ・作品解説

「裏庭」は、日本の児童文学作家である梨木香歩による長編ファンタジー小説であり、1996年に理論社、2000年に新潮社から出版された。 この物語は、子供たちの絶好の遊び場である荒れ果てた洋館の庭を舞台に繰り広げられる。昔、英国人一家の別荘だった高い塀に囲まれた洋館の裏にある庭。この庭に苦い思い出のある少女照美が塀の穴をくぐらなくなって久しいが、ある出来事がきっかけで再び庭へと入り込んで行く。弟を亡くし孤独な少女が、不思議な世界で起こる様々な出来事を通して成長していく、自分探しの旅を描いた重層的ファンタジーである。 作者の梨木香歩はこの作品で第1回児童文学ファンタジー大賞を受賞するなど評価が高く、児童文学でありながら大人にもファンが多い、幅広い層に人気のある作家である。著書「西の魔女が死んだ」で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞しており、他の著書には「家守綺譚」「からくりからくさ」「沼地のある森を抜けて」「りかさん」などがある。

裏庭の評価

総合評価
5.005.00
(1件)
文章力
5.005.00
ストーリー
5.005.00
キャラクター
5.005.00
設定
5.005.00
演出
5.005.00

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裏庭の感想

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心の整理をする旅路

両親に愛されていないように感じている少女が、実の祖父のように慕っている親友のおじいちゃんの病気をきっかけに、地元に古くから伝わる不思議な洋館の鏡から、異世界に迷い込みます。そこで、出会った謎の青年と元の世界に戻るために、不思議な世界を旅する物語です。その世界の住人は、貪欲さから災いを招いてしまい、不可思議な病におかされています。その根っこにあるのは、『人と接する上で避けることのできない心の傷』への恐れです。それは、主人公の少女が抱えていた問題とリンクし、そして、どこかで読んでいる私の抱えている痛みや不安が投影されていることに気付かされます。旅を続ける少女は、困難を乗り越える過程で、自分と両親の関係を冷静に見つめ、自分のあり方をじっくりと考え、強くなっていきます。同時に、読んでいる私自身も、自分の中の弱さや心の傷を見ているような気持ちになります。それは、鏡を通して自分を見ているような感覚...この感想を読む

5.05.0
  • 月読三葉月読三葉
  • 257view
  • 458文字

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