汝真実を知れば、真実が汝を自由の身とするなり。
ギルバートブライス
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『アンの夢の家』は、カナダの作家ルーシー・モード・モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズの第5作にあたる長編小説で、1917年に発表された。アンの25歳から27歳の時を描いている。 アンと医師になったギルバートは、皆に祝福されて結婚式を挙げた。ギルバートの借りてきた家はグレン・セント・メアリ村の、海が見渡せる美しい家で、「夢の家」と名づけられた。アンは灯台守のジム船長や近隣の人たちと出会い、穏やかな生活を始める。また、隣人の美しいレスリー・ムアとも知り合い、彼女のつらい境遇を知る。やがて、ギルバートは、レスリーが世話を続ける夫ディックの病が治るかもしれないことを知り、レスリーに手術を勧める。手術は無事成功し、思いがけぬ事実が判明し、レスリーに幸せな春が訪れる。夢の家で過ごした日々の中で、アンは最初の子どもを死産で亡くし、その悲しみを乗り越えて翌年ジェムを無事出産する。やがて、アンとギルバートは手狭になったこの夢の家に別れを告げる。
『赤毛のアン』シリーズの第5作目です。アンはギルバートと結婚して、のどかな港町の小さな一軒家に引っ越します。そこは、『先生の花嫁さん』が暮らした古い家ですが、ポプラやモミの木々、四季折々の花が咲く花壇、そして、窓からは海が見える素敵な家で、アンの『夢の家』のとおりです。そこで、アンはまたもや、話し上手で場を和ませる才能にあふれた老船乗りであるジム船長、うわさ好きで面倒見のいいミス・コーネリア、不幸の連続でも気丈に生きるレスリーなど、素敵なご近所さんに巡り合います。そして、アンはそこで子どもを産むことになります。しかし、1人目の赤ちゃんはわずか1日で亡くなってしまい、母として深い悲しみを味わいます。その後、2人目の元気な赤ちゃんを産み、子育てを通して、母としての喜びを知るのです。母としてのさまざまな経験を経たアンはますます魅力的になっていきます。
ギルバートブライス
主人公のアンとその周囲のほとんどの人たちが、真実を明かさない方がよいと考える中で、アンの夫ギルバートが、真実を伝えることが最善だと訴えるシーンでの聖書引用の言葉