わが母の記のあらすじ/作品解説

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わが母の記

4.504.50
文章力
5.00
ストーリー
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キャラクター
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わが母の記のあらすじ・作品解説

わが母の記は、1975年、作家井上靖が68歳の時に、講談社より出版した私小説である。 井上靖の母親である「八重」が80歳のときから、亡くなった89歳までの晩年の人生を描いた小説で、1964年の「花の下」、1969年の「月の光」、1974年の「雪の面」の三部作となっている。講談社文庫として文庫化もされている。 この作品は、幼い頃に自分だけが家族と離れ、おぬいばあさんと呼ばれる曽祖父の妾と生活していたことから、母親に捨てられたという感がぬぐいきれずにいた想いをもった井上が、80歳の母との花見旅行を基に母を語る「花の下」、85歳の母を描いた「月の光」、死の前後、最期の母の姿を描いた「雪の面」を通して、様々な母への思いを表し、「愛」や「生」について綴っている作品である。 2012年には、主演の二人を役所広司と樹木希林が演じ映画化され、2012年の日本アカデミー賞の各賞にノミネートされ、主演女優賞を受賞しているなど、高い評価を得ている。

わが母の記の評価

総合評価
4.504.50
(1件)
文章力
5.005.00
ストーリー
4.504.50
キャラクター
4.504.50
設定
5.005.00
演出
5.005.00

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わが母の記の感想

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お涙頂戴ではない、冷静かつ率直な親子の実像

井上靖が実母の老年、晩年について描いた小説。エッセイでも日記でもなく、きちんと物語の体裁をとって、母親が老い、惚けていく姿を冷静に綴っています。読書感想などを見ていると「冷たい」という感想が多いようですが、井上靖と母親のあいだには確執とはいわないまでも、生育期に隔たった過去があり、メロドラマ的にならないのは書き手の息子の側の問題ではなく、ふたりの関係性によるものと思われます。そうはいっても、記憶が薄れていくことへの克明な気づきは、作家の観察眼ならではだと思いますし、それゆえに起きる戸惑いが随所に表れ、むしろ率直な親子の姿だなあ、と感じました。そして、人って死ぬ間際まで、何十年も前のことをひきずるんだなあーとも。お互い年を重ね、子孫が大きくなっていくような頃になっても、ぎくしゃくしたものが残るものなんですねえ。映画化されて、ずいぶん「美しい親子愛」みたいにされちゃったようですが、そういう...この感想を読む

4.54.5
  • nyan_chunyan_chu
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  • 448文字

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