5年3組リョウタ組のあらすじ・作品解説
『5年3組リョウタ組』はあの有名な石田衣良が書いた小説である。この小説は2008年版「坊ちゃん」と言われている。 主人公は小学校教師の25歳独身、茶髪で熱血漢のおっちょこちょいで、「冷静に物事を考えるよりは感情が先に立つ」タイプの良太。そしてもうひとり、準主役というような立ち位置の良太の同僚、染谷龍一。彼は冷静で管理職のウケもよく、担任しているクラスは成績優秀、愛車はドイツ車でいつもスーツをバチッと着こなすできる男。感情で動く良太と頭で動く龍一のコンビが絶妙! ストーリーは大きく4つの章から成り立っており、1章は教室から抜け出してしまう本多君のエピソード、2章は4年生の担任教師・立野が学校に来られなくなってしまうエピソード、3章は良太のクラスの生徒・日高君が放火犯の疑いをもたれてしまうエピソード、、最後の4章はクラス間の成績を争うクラス競争。全体的に会話の中に微妙な表現があり、それに考えさせられる。
5年3組リョウタ組の評価
5年3組リョウタ組の感想
教師にも読んでほしい作品
25才の中道良太先生が5年3組を担任し、四苦八苦しながら様々な問題に向き合うストーリーです。良太先生は、外見は今時のほんのり茶髪でなんとどくろのシルバーネックレスをしています(私は、こんな先生見たことないけど、いたら何だか楽しいですね)。同僚の染谷先生は、スポーツカーで通勤する、一見キザだけど冷静沈着な先生(女教師には結構モテる設定)で、だけれど、実は実はの設定になっていて、話を読み進まないと本当の染谷先生を知ることができません。クラスで問題が起こったり、家庭環境が複雑で問題を抱えた子供がいたり、モンスターペアレンツがいたり・・・、教師自身が精神的に病んでいたり、学校って(先生って)大変なんだなあと思いました。でも、良太先生はそれらの問題から逃げません。 「先生頑張って!」と応援したくなる作品です。
こんな先生がいたらいいなぁ
熱血先生リョウタの物語です。 1章ごとにリョウタのクラスでいろいろな問題が起こり、それを解決していく。学校での問題も今の時代に沿ったものばかりです。教師同士のいじめやモンスターペアレンツなど。それを、子どもの視点にたって、真剣に向き合うリョウタの姿勢に胸が熱くなります。子どもたちと一緒に成長していくリョウタ。こんな先生に出会えたら、学校が楽しくなるだろうなぁ。現実は、こんな上手くいかないだろうけど、こんな情熱をもった先生が増えるといいな。スラスラと読めるし、読後感もスッキリです。石田衣良の青春小説はきちんとハッピーエンドなので安心して読めます。