無花果とムーンの評価
無花果とムーンの感想
うつくしいおはなし
桜庭一樹作品が好きだったので、購入して読みました。まずタイトルと装丁の美しさに見とれてしまいました。内容に関しては、どこか不思議で、登場人物ひとりひとりが個性的で、苦手な人はとことん苦手だろうな、と思いましたが、私は普通に読めました。展開や設定に関して、多少の違和感はありましたが、それ以上に文章の美しさに惹かれたという感じです。おそらく、読み返せば読み返すほど、じわじわと世界に引き込まれていくような作品なのではないかな、と思います。生きている者と死んでしまった者、綺麗な文章に触れながら、さまざまなことについて考えられる機会が得られるものでした。
かわいらしく、せつない
読みやすい一冊でした。サラッとした文章で数時間で読んでしまいました。大好きなお兄ちゃんのお葬式から始まり、初恋のお兄ちゃんが自分のせいで死んでしまったと悩む主人公が不思議な現象にあうのですが、ふわふわとしたかわいらしい文体で辛気臭いところもなくて面白かったです。拾われっ子の風変わりな主人公のほか、お父さん、お兄ちゃん、お兄ちゃんの元カノなどなど、面白いキャラクターがいっぱいで飽きません。10代の少女のひたむきさ、初恋の純粋さが描かれていて、ほんのり切ない気持ちになりました。表紙の絵が、主人公のイメージにピッタリでかわいい!! 読んでいて癒される本です。
「無花果とムーン」ってタイトルが格好良すぎる
ほんと、センスの塊のようなタイトルだと思います。「無花果とムーン」。は~格好いい。 もちろん、タイトルが一番いいっていう小説ではありません。中身もしっかり面白かったです。 桜庭一樹さんが得意な、近親愛ですね。今回は、兄と妹の愛のお話です。異国の香り漂う設定になっていて、今回もお決まりの美少女キャラが登場しました。わたしは桜庭作品の美少女に弱くて、すぐに好きになってしまうのです。そのため、読み進めていくときも必ず美少女キャラの立場になって読んでしまいます。 本作では物語の中で兄が死んでしまうのですが、(というか桜庭作品ではわりと毎回人は死ぬのですけれども、)その理由が素晴らしいです。人が死んでしまった理由をいいとか言うのは失礼かもしれませんが、とにかく最後まで読めばわかります。 ぜひおすすめしたい一冊です。