砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないのあらすじ/作品解説

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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

4.504.50
文章力
4.50
ストーリー
4.40
キャラクター
4.50
設定
4.17
演出
4.17
感想数
4
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないのあらすじ・作品解説

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないALollypoporABulletは、2004年11月に富士見ミステリー文庫より刊行されたライトノベルである。作者は2008年に「私の男」で第138回直木賞を受賞した女流作家「桜庭一樹」。イラストは「むー」が担当した。 リアリストで早く大人になりたいと願う女子中学生「山田なぎさ」と人魚を自称する変わり者の転校生「海野藻屑」の2人の少女の交流、そしてその先に待ち受けているショッキングな結末を描いた作品。 その巧みな文章とストーリー展開によってライトノベルの読者だけでなく一般文芸読者からも高く評価された作品で、後に直木賞作家として確固たる地位を確立する作家「桜庭一樹」を生み出すきっかけを作った。2007年2月には富士見書房から単行本が、さらに2009年2月には角川文庫から文庫本が刊行されているが、一般書籍として刊行するためか、いずれからも発表当時にあった「むー」による挿絵は削除されている。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの評価

総合評価
4.504.50
(4件)
文章力
4.504.50
ストーリー
4.404.40
キャラクター
4.504.50
設定
4.174.17
演出
4.174.17

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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの感想

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愛情

父と娘。「私の男」が代表であるが、桜庭さんの作品のテーマとして知られているこの2者の関係。この作品の中では海野家の父と娘が、歪んだ愛情互いに表現している。「汚染なの。」これは、父から受けた虐待の跡を指す藻屑の表現である。それは父親を庇うためであると同時に、愛ゆえに存在してしまう感情の歪みを表現したものであると私は捉えた。初めて私と藻屑が会った日、「死んじゃえ」と藻屑が言ったのも本人にとっては愛情表現だったのである。このことからも、藻屑にとって愛と死は紙一重なことが分かる。ではなぜ愛と死という一見矛盾しそうな感情が紙一重になるのか。“Because I miss you.”「答えられたらヤバイクイズ」として紹介されているこの答えがそれを示している。このクイズでは愛する人とは別の対象を殺しているが、対象は愛する相手にも及ぶ。相手を愛して止まない、その感情を「相手を殺す」ことによって保存出来るのである。殺してし...この感想を読む

5.05.0
  • ミッチミッチ
  • 154view
  • 569文字

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