カラーひよことコーヒー豆の評価
カラーひよことコーヒー豆の感想
２０年も同じネタ？それでも「読ませる」 小川洋子恐るべし
再読して１．２倍楽しめる豆知識小川洋子２００９年発表の９つ目のエッセイ集、２００６年～２００９年発行の「Ｄｏｍａｎｉ」連載作品に５編の書きおろしを加えている。タイトルの「カラーひよこ」は２００６年発表の短編集「海」掲載の「ひよこトラック」に登場するアイテム（？）を意識したものだろう。「ひよこトラック」は２００７年の川端康成文学賞候補にもなっている良作だ。短編なのでノーマークの方もあるかと思われる。小川洋子ファンでなくとも読んでみて損は無いだろう。小説家小川洋子、意外とエッセイクイーンの顔も？小川洋子が紹介されるとき「小説家」という肩書きが使われる。しかし、意外にも小説以外の著作が多い。１９８８年のデビュー依頼、長短含む小説作品が３２作、エッセイ１２作、対話集３作、共著７作（２０１６年６月現在）、小説外の著作は実に４割以上を占める。何故彼女にはこれほどエッセイの仕事が来るのだろう。ご存知...この感想を読む
ゆっきーmk-2
PICKUP
表紙がかわいく、中身も読みやすいエッセイ集
この本は、雑誌『Ｄｏｍａｎｉ』の２００６年１０月号～２００８年９月号の連載エッセイに、書き下ろし５編のエッセイを加えた物、だそうです。表紙が、絵本のようにかわいくて、思わず手に取った一冊です。中身は、読みやすいエッセイで、とても温かい視線で人を見ているのがわかります。カレン・カーペンターの歌声を、神様に愛された声、と書いてあったのには、すごく共感しました。Ｐ６８の、「なんて愚かなんだ。～洋子！」という、段落全体に溢れる、ネガティブさに驚きました。自分の中にも似たようなネガティブさがあることにも気付いたし、著者のように、成功していても、救いを求める事があるのだな、と、とても親近感が湧きました。全体を読み終わると、心が浄化されたような気がしました。良い本でした。
ぱきら
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