良くも悪くも「銀英伝」の鏡のような作品
「ロイエンタールの反乱」の消化不良への壮大なリベンジ作品本作品の成り立ちが「銀河英雄伝説」のロイエンタールの反乱をリメイクしたものと見えるのは田中芳樹ファンなら誰もが知るところだろう。ロイエンタールの反乱については本サイトの「銀河英雄伝説」の私の評で詳しく書いたので参照願いたい。ここではヴェンツェルがその役だが同じような話になるので彼自身には大きく着目しないが、この作品そのものが「銀河英雄伝説」のロイエンタールの反乱をもう一度書きたかった、というところから出発しているのは間違いない。ではその試みは成功なのか?ロイエンタールはラインハルト軍に反旗を翻したといえども全体の局面では1回の局地戦で決着しており、ラインハルトと直接雌雄を決することはなかったので、読者の衝撃の割に(読者ももちろん裏切ることはわかっていたが、決着の中途半端さが衝撃だった)歴史に与えた影響は小さい。「宇宙を手に入れる」...この感想を読む
3.03.0
PICKUP