アンの幸福のあらすじ・作品解説
「アンの幸福」はルーシー・モード・モンゴメリが1936年に発表した長編小説で、時系列的には「赤毛のアン」シリーズの第4作品目にあたる。 レッドモンド大学を卒業し、サマーサイド高校の校長になったアンによる、婚約者で医師になるためレッドモンドで勉強中のギルーバートへ当てた手紙がかなりの割合で使用されている。 前半はサマーサイドの校長として奮闘するアンの様子が描かれているが、後半は一章完結方式でサマーサイドにおける家庭の様々な出来事をアンの視点からユーモアを交えながら書いている。 今作品でアンが下宿する「風にそよぐ柳荘(Windy Willow)」の「Willow」は柳という意味の他に後家という意味があり、作中には多くの未亡人が登場する。主人公のアンは成長して大人の女性になっており、第1巻でみせる天真爛漫さはあまりみられないが、個性豊かな人物が多数登場しており、アン好きの人にとっては安心して楽しめる内容となっている。
アンの幸福の評価
アンの幸福の感想
校長先生となったアンの奮闘記
『赤毛のアン』シリーズの4作目です。ここまで読もうと思うのは、すっかりアンの魅力に引き込まれてしまった人だと思いますから、もしかしたら、余計なレビューは読まずに、楽しんだ方がいいかもしれません。前作でやっと恋人同士になったアンとギルバートですが、ギルバートが医学部に進む間、アンは高等学校の校長をして、遠距離恋愛を続けることになります。その間にやり取りした手紙と、アンが実際に体験したことが織り交ぜられて、物語が進んでいきます。ここでも、アンは、個性たっぷりの人たちに取り囲まれています。魅力的な友人もいれば、なんとしてもアンを困らせてやろうとする敵もいれば、悪気はないのだけど迷惑な人もいます。アンは、大人になってさらりとやり流す術を覚えつつも、これはと思った人にはまっすぐに心から接して、その人の愛を勝ち取ろうとします。そんなアンは、やっぱり好きにならずにいられません。それから、恋人ギルバー...この感想を読む