坊っちゃんの感想一覧
夏目漱石による小説「坊っちゃん」についての感想が8件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
文学!
文学作品として有名なぼっちゃん。教養でもある。個人的には読みにくいしよくわからない作品だとおもった。数年たったら読み返してみたいと思ってる。主人公は教師の男です。四国の学校に赴任し、同僚から嫌がらせをうけたりする。嫌がらせをしてきていた同僚に仕返しをしたりもする。まがったことをきらい、自分にまっすぐにいきてる。そこはすごくかっこいいな、とおもいました。文章はきれいだとおもう。音読とかにもむいているんじゃないかな、とおもう。ただ、なんでこれがこんなに名作扱いされてるんだ??とは疑問に思う。いつかこの小説のよさがわかる日がくるのだろうか。
漱石の定番
夏目漱石といえば、一般的に「吾輩は猫である」か「坊っちゃん」かなと思います。しかし個人的に「坊っちゃん」は余り好きではないというか、もう一度読みたいとはあまり思わない作品です。まだ小説を書き始めて間もない頃だったせいなのか、ちょっとぎこちないというか、キャラクターは面白いけど、それだけと言うか。松山での教師時代が元になっているようですが、あまり松山での生活が好きでなかったのが滲み出ているのか。誰かに夏目漱石でおすすめの作品はと聞かれたら、多くの人はこれか「猫」を挙げると思いますが、「猫」はともかく、私はこれはおすすめしないかな。あくまでも個人的な好き嫌いのレベルですが。
おすすめの本
「私、読書をしないんです。何かおすすめの本はありますか?」と聞かれたとき、「夏目漱石の『坊ちゃん』」と答えることにしている。この作品を読んで小説に関心を寄せられなかったら、小説向きの人間ではないと思う。もしくは、縦書きの文字が苦手なのか、難しい日本語が嫌いか、デジタル人間かだ。この作品のキャラクターは個性豊かに描かれている。キャラクターの風貌や性格が分かると、頭の中でキャラクターが立体化され、ストーリーに合わせて演じる。こんなに想像力を掻き立てられる作品はないと思う。漱石の文才に感服する。こりゃ、芥川龍之介のような後世に残る弟子が輩出されるわけだ。
どこか懐かしき世界観
夏目漱石さんの小説の中ではこれも有名な作品です。読んだことがない人もいるとは思いますが、聞いたことある方も多いはず・・・「ぼっちゃん」にでてくる世界観は東京の下町を思わせる。独特の口調が使われており、現代の人々には馴染みが薄くなりつつある言葉です。方言といったほうがいいかもしれませんが、これを読むことにより東京にもこう言う言葉があった。いや一部の地域や世代では今も使われているのですが・・・その言葉の面白さも伝わってきてとても痛快です。この口調がなければ坊ちゃんは成り立たず!と断言してもいいほど毎回毎回ページを読み進めていくうちに読者に期待感。一つの楽しみを与えてくれる作品です。
坊っちゃん。
夏目漱石の代表作。夏目漱石の力強い作風が生きている作品だと思います。冒頭の「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」という始まりはあまりにも有名。ストーリーは主人公の数学の教師・坊っちゃんと山嵐が教頭赤シャツと戦うお話。勧善懲悪なので現代でも十分面白く楽しめる作品だと思います。無鉄砲な坊っちゃんの言動が話を盛り上げる要素になっていると思います。これが「損ばかりしている」原因でもあると思うのですが…。作中で、無鉄砲でやんちゃ者の坊っちゃんを信頼している清の存在が素敵だなぁと思います。作中でも出てくる坊っちゃん団子が食べたくなってきました。(笑)
痛快な主人公の体験記
四国に先生として赴任することになった一本気な男、坊ちゃん。幼いころから無鉄砲だったという台詞通り、その曲がったことが嫌いな性格のために行く先々で騒動を起こしてしまいます。もめごとは周囲のたちの悪い人々の行為や環境のせいもありますが、赴任して事件が起こって最終的に職を辞して帰郷するまでのストーリーとなります。この作品に特徴的なのは人物の面白さです。悪役も、味方も、子供のころから慕う清さんも、皆人物として立派に成立しており、魅力的でもあります。文芸作品でなく、大衆作品を書かせても漱石の実力は一級だったと分かります。できればこの系統の作品をもっと読みたかったと思わずにはいられません。若干古いせいで語彙が難しい所もありますが、理解できないほどではありません。
坊っちゃんはやっぱり坊っちゃんだった
坊っちゃんをあらためてレビューしようとした時、評価をひとつひとつ考えた結果、全部完璧だったとわかりました。キャラクターは全員ばっちり個性的で、正義と悪の対比もはっきりしていて、感情移入しやすくなっています。ストーリーは田舎の学園を舞台に、都会育ちの坊っちゃんが学園の人間関係に悪戦苦闘するといった流れで、結局馴染めずに終わるものの、勧善懲悪は成功し、読む人には爽快な読後感を与えているため、多くの人に愛されているんだと思います。たった一カ月程度で、教師を辞めてしまうなんて、実際には考えられないですが、そこで、冒頭の一文が活きてくるようになっていて、本当にうまいなと思います。
初心な坊ちゃん
活発で無鉄砲な坊ちゃんその坊ちゃんが都会を離れ田舎の学校の数学教師として過ごしていくお話。坊ちゃんは初心で純粋なだけに人の言うことをすぐ信じてしまう。そして信じたことは絶対に本当のことだと思う。自分の考えを曲げないタイプの人間だ田舎の学校での生活は大変なもので知り合いの宿主に騙されたり、生徒たちにいたずらされたりとそのほかにも濃厚な出来事がたくさん起こる。そんななかで坊ちゃんは子供のころにはまったく懐くつもりはなかった家の高齢下女「清」に会いたいと思う気持ちが強くなる。坊ちゃんは1カ月の出来事で様々な心の変化を見せる。一つ一つの出来事の内容が濃いので作品の短さを感じさせないほどである。