いい意味で青臭く、どこか懐かしいような青春小説
仲間の死の知らせから始まるストーリーこの作品は、主人公である佐千子のもとに、昔の仲間の死を知らせる電話が入ることから始まる。中学時代、遠泳チームを組んだ8人とはなにかある度に集まる大切な仲間だ。そのうちの一人である義朝が、昔皆で遠泳した懐かしい海で死んだという。訃報を受けた佐千子はその海に皆で集まる提案をするが、そこから話は大きく展開をしていく。冒頭部分は、とにかく情報が多い。8人の個性、現在の状況。義朝がなくなった事故の描写。中学時代の遠泳の描写。シンボルであるしゃもじやチーム名の由来など、とにかくいろいろな情報がなだれこんでくる。しかしそれを頭の中で処理するのはまったく苦ではなく、まるで映画を観ているように自然に頭の中に入ってきた。それはおそらく8人のキャラクターがきっちりと立っているからだろうと思う。そして過去の遠泳の描写はそれこそ映像的で、頭にすんなりはいってくるものだった。だ...この感想を読む
2.52.5
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