オー!ファーザーのあらすじ・作品解説
オー!ファーザーは、2006年3月から2007年12月まで複数の新聞にて長期連載されたものに加筆修正を加えた作品である。 作者は伊坂幸太郎で18作品目にあたる長編小説である。 伊坂はこの作品までが自身の第一期であると述べており、最後を締めくくる作品とメディアに紹介された。 この作品は、中学生の男子に4人の父親がいるという設定が特徴である。ギャンブルに強い、女性にもてる、博学卓識、スポーツ万能といったどの父親にも個性豊かな人物設定がされている。息子に様々な事件が起こるが、各々の個性を活かして解決していくストーリである。 2014年5月24日には、岡田将生と忽那汐里を主演とし映画化がされ、父親役を佐野史郎、河原雅彦、宮川大輔、村上淳らが演じた。 伊坂幸太郎は「絆」ではなく、もう少し緩くて親しみやすく、もっと言えば愛しい「チームワーク感」が溢れていて、観終えてから幸福な気持ちになれる作品であると述べている。
オー!ファーザーの評価
オー!ファーザーの感想
映画も楽しみです。
タイトルからお父さんのお話なんだろうなと想像していたけれど、まさかの4人のお父さんという突飛な状況(笑) でも読めば読むほど作品に引き込まれていきました。高校生の由紀夫の周りを取り囲むのは、頭脳明晰な大学教授の悟、元ホスト&バーの経営者で女性の扱いがうまい葵、生粋のギャンブラー鷹、中学教師の勲。それぞれ違った個性、かっこよさを持っていてステキ!!こんな父親たちなら4人いてもいいとちょっと羨ましくなりました。あちこちに伏線がちりばめられていて、最後には全て繋がり爽快!映画の方のキャストも個性的ですね~楽しみです。おもしろかった~!おススメの一冊です。
ちちおや
タイトルを見て、確実に「父親」をテーマにした作品だと判断しました。ボクは家族がテーマの作品は「ほのぼの」してしまうので、あまり好みませんが、この作品を少し調べると4人の父親が出てくるお話という奇々怪々なものだったので手に取りました。飛んでみると、出てくる4人の父親全員がかなり理想のものだったです。性格はバラバラなのに、女性の心配をみんなで一緒にしてる場面がほほえましくて個人的にすごく好きです。また、バラエティあるボケや冷静なツッコミがかなり笑えます。そして、後半には「サスペンス」要素がふんだんに盛り込まれており、一気読みしてしまう面白い作品でした。
お父さんが4人って複雑だけど面白い。
とにかく設定がおもしろい。父親と母親と僕で、家族6人暮らしって数が合わない家庭ででも、それなりに真っ直ぐに育っている由紀夫。父親が4人もいて本当の父親が誰かも分からないのにその状況を受け入れて淡々と生活している由紀夫が面白い。そして、由紀夫がピンチになった時に思い出すそれぞれの父親の教訓も面白い。とにかく厄介で危険な事件に巻き込まれるけどそこは父親が4人いるだけのことはあってそれぞれに由紀夫を大事にしながら、協力しながらでも、とんでもない方法で(しかも、その理由がちょっとおかしい)助けてくれる。面倒なんだけれど、ちょっと羨ましくもある。こんな個性的な4人の父親をトリコにした4股かけた、お母さんのエピソードがもっと読みたかったかな。