地獄堂霊界通信のあらすじ・作品解説
地獄堂霊界通信はポプラ社によって刊行された香月日輪による作品である。 1995年には「ワルガキ、幽霊にびびる!」で第27回日本児童文学者協会新人賞を受賞している。2008年11月にはみもりにより「good!アフタヌーン」にて漫画化もされており、同年12月には装丁等を変えて小説が出版されたがイラストが前嶋昭人からみもりに変更されている。 この作品は、上院町に住む小学5年生のてっちゃん(金森てつし)、リョーチン(新島良次)、椎名(椎名裕介)の三人悪が町はずれで薬屋「極楽堂」通称、地獄堂におつかいを頼まれた女の子の代わりに傷薬を買いに行く。そこで店主のおやじにひとつの噂話「ふたつ池には幽霊がでる」という真偽を尋ねたこと、その事件を解決したことをきっかけにして三人は自分たちの知らない別の世界があることを知る。それ以降おやじから、妖怪、幽霊と戦う力を教わり、その不思議な力を駆使して様々な事件を解決していくホラーファンタジーである。
地獄堂霊界通信の評価
地獄堂霊界通信の感想
メッセージ性の強い児童向けホラー
効果的に使われる主要キャラクター主人公の少年たちは、それぞれタイプの違う仲良し三人組。授業をサボったり喧嘩をしたりと社会的に分類すると悪ガキにあたる三人だが、その本質は実直かつ自由奔放で、決してグレているわけではない。物語は基本的に、この三人悪の視点で描かれる。子供は正直とよく言うように、彼らは本書の地の文において尊敬する者は素直に賞賛し、悪いヤツや嫌なヤツには見下すような感想や辟易している様子が描かれている。この、世の中には善と悪のふたつしか存在していないという考え方は、まさしく子供の価値観である。もともと児童向けに執筆された本書は、こういった(基本的には)子供らしい思考の三人悪を通して、人間の憎悪や欲望、狂気といった負の側面を描いている。素直で真っ直ぐで明るい、いわゆる陽属性にあたる三人悪の性質は、相対する人間の負の側面、つまり陰属性の感情を持つ人間との対比になっており、その異常性...この感想を読む
ガキんちょだけどオカルト・ヒーロー!
おどろおどろしい不思議な店のオヤジに導かれ、妖怪退治、成仏に導く三人組…!小学生三人がマントラを唱え、オカルティックな事件を解決する、人気シリーズの第一作。やんちゃだけど芯の強い心を持つ主人公・てつしが、作品を明るく支える支柱となっています。小学生が主人公であるにもかかわらず、起きる事件はシリアスで重いものばかり。勝手な大人達の論理を突き抜け、魂の浄化を願う彼らの活躍は、いたずらにエンタテインメントを求めることをしない、見ていてちょっとうれしくなる男の子っぷりです。ミッタンのダメさ加減や地獄堂のオヤジ、飼い猫の徹底的に怪しいキャラも話をうまく支えています。子供向けだけじゃない、ニュー・オカルト・ヒーローの登場です。
ワルガキ3人組、ここに登場!
小学校の番長てつし、頭脳明晰で軍師役の椎名、てつしの幼馴染みで優しいリョーチンのワルガキ3人組のお話です。この3人組が、地獄堂という何とも怪しげな薬屋の妖怪ジジイとよばれるおっちゃんに、御札と呪文をさずけられたことから周りで起こる事件に立ち向かっていくという短編なのですがこれが面白いんです。3人のキャラが全く違うので全く異なった力を発揮することができる良いチーム。香月さん得意の不思議な出来事(妖怪・幽霊絡み)も小学生目線で進んでいくので、わかりやすくて感想が素直でこっちも素直に読み進められる感じです。事件をこなすにつれて力の発揮の仕方や加減の方法を覚えていく3人組。これからの活躍に期待です。
地獄堂霊界通信の登場キャラクター
金森てつし
よみがな:かなもりてつし ニックネーム:てっちゃん 生年月日:5月5日 年齢(作品時):11歳 血液型:O型 身長:135cm 体重:34kg 性別:男 所属:上院小学校 性格:人情厚い兄貴肌