レイチェルの結婚の評価
レイチェルの結婚の感想
家族の本質を描いた映画
カサヴェテス映画のような緊迫感あるドキュメンタリータッチ映画の中盤の息の詰まるようなやりとりを見たあとに、私はしばらくあの偉大な人のことを忘れていたなあ、と溜め息と共に思い出しました。 「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミの新作は、アメリカのインディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテスの映画を彷彿とさせる、鬼気迫るドキュメンタリーのような作品でした。私がこれまで見たあらゆる映画のなかで、もっともインパクトのある作品として記憶に残っているもののひとつに、カサヴェテスの「こわれゆく女」があります。これは、個人的な好き嫌いを越えて、ちょっと忘れがたいような凄みのある怖い映画です。 また、自分にとってのヒーロー、一番かっこいい女って誰だと聞かれたら、やはりカサヴェテスの「グロリア」のなかでの超クールな女主人公、ジーナ・ローランズが演じたグロリアを挙げるだろうなと思います。 ジョン・カサヴェテス...この感想を読む
とっても深いお話です。
映画のタイトルは、『レイチェルの結婚式』で原題も「Rachel Getting Married」ですが、物語の主人公はレイチェルの妹のキムで、長らく入院していた薬物治療のリハビリ施設から、姉の結婚式のために、実家に帰ってくるところから物語が始まります。姉や両親は、今もキムが抱える苦悩と自責の念の深さを目の当たりして、結婚式という機会に自身たちも抱える問題と向き合うことになります。自責の念が強めの鬱っぽい方にはあまりお勧めしない作品。映像は大変美しく、アメリカの手作りの結婚式が、準備段階からディナー、挙式当日のガーデンパーティーまで存分に楽しめます。個人的には、レイチェルを演じたローズマリー・デウィットさんの演技が素晴らしかったと感じました。