ボウリング・フォー・コロンバインのあらすじ・作品解説
2002年公開の、米国のドキュメンタリー映画。1999年に発生したコロンバイン高校での銃乱射事件に端を発し、異色のジャーナリスト マイケル・ムーアが監督を務め、アポイントを取らない突撃取材で得たインタビューを主軸とした作品である。 いじめを発端にしたこの事件は、死者13名、重軽傷者24名の被害者を出し、同校生徒の犯人2名は自殺している。 インタビューには、犯人が好んだハードロック・ミュージシャン マリリン・マンソン、1998~2003年の5期にわたり、全米ライフル協会会長を務めた「ベン・ハー」「十戒」の俳優チャールトン・ヘストン、風刺的人気アニメ「サウスパーク」の制作者であるマット・ストーン、コロンバイン市民などが応じた。また、アメリカの銃に関する歴史を検証し、先進国と比較した上で、その異常性を浮き彫りにしてゆく。 2002年のアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞、カンヌ国際映画祭55周年記念特別賞他数々の賞を受賞した。ちなみにムーア自身は全米ライフル協会の生涯会員である。
ボウリング・フォー・コロンバインの評価
ボウリング・フォー・コロンバインの感想
ユーモアとカウンターカルチャーの力
アメリカのドキュメンタリーの文法と語り口の新鮮さ2002年作品。今でこそ劇場でもNetflixなどでも海外の良質なドキュメンタリーを見られる機会が増えていますが、この作品が公開された当時においてはそうではありませんでしたので、自分を含めたごく一般の人においては、アメリカ製作の長編ドキュメンタリーが大々的に映画館で公開されるということ自体のインパクトが大きくあったと思います。つまり当時の日本においては、ドキュメンタリーとはNHK的なまじめなものであるという認識が一般的だった中で、非常に文法や語り口が違う、ユーモラスなおかつ痛快にシリアスなテーマに迫るという部分がとても面白く、新鮮だったのです。偉い人が上から教えるんではなく、深刻な問題を深刻そうに語るのではなく、様々なバラエティーに富んだ素材をセンス良く駆使し、生々しい予定調和でない取材をそのまま見せて行くことで、こんなにも面白く見せることができるんだ...この感想を読む