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- まるで写真を並べたかのよう
3.503.50
- 映像
- 4.30
- 脚本
- 3.25
- キャスト
- 4.40
- 音楽
- 4.32
- 演出
- 3.70
- 感想数
- 11
- 観た人
- 13
とにかく映像の美しさが目を引く作品です。吉原という粋と雅、そして欲望の世界を、色彩や小道具で華やかに、鮮やかに、どこか恐ろしげに映し出しています。その辺り、さすが写真家として一線で活躍する監督さんが手掛けただけのことはあると見入ってしまいます。子どものきよ葉が、『女』になる恐ろしさに逃げ出したくなる気持ちがなんだかわかるような、美しさと怖さを併せ持った映像です。
また、随所に効果的に使われている金魚も素敵でした。美しい姿で人の目を楽しませるために存在し、生きる世界は囲われた鉢の中だけという遊女の象徴としては、うまい演出だと思います。
一方で、ストーリー展開はいまいちでした。原作を知らないので、比較はできませんが、映画だけ見ていると、1つ1つのエピソードが細切れで、ラストまでつながる流れが感じられません。そのせいか、命がけの足抜けをしてまで連れ添いたいと2人がなぜ思ったのか、納得がいかない感じです。特に廓のしきたりを骨の髄まで知り尽くしているはずの清次が、あんな形で逃げ出そうと思うのは、よほどの覚悟がいったはずなのに、そこまでの思いを抱いていく過程が描かれていないのが残念です。ちょっといいなと思ってるぐらいでできることじゃないはずなのに。現代の感覚で言えば、そんなノリでもありだと思いますが……
1つの物語を完成させたというよりは、盛り上がるシーンだけをつなげたまるで『写真集』のような作品と言う印象です。
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他のレビュアーの感想・評価
煌びやか
蜷川実花ワールド炸裂の映像の世界でした。吉原遊郭という人間のの欲望情念が渦巻く郭の中の小さな世界を、様々な色を使って幻想的な世界に仕上げていました。ただちょっと残念だったのは、背景はとても綺麗なのですが、人間が背景に負けてしまっている感があったことです。俳優さんたちに問題があったというわけではなく、何となく映像と人間がアンバランスだったような気がするだけです。背景や小道具に凝っている割には、人間の映し方が地味というか・・・。ただ清次役の安藤政信はその地味さが逆によかったです。あと女将役の夏木マリさんがとてもよかったです、怖いけど人のよさそうな感じで。
3.53.5
映像美を堪能する作品。
安野モヨコ原作の漫画を映像化した作品。色鮮やかな写真で有名な蜷川実花さんが監督しただけあって、とにかく映像が美しい!至るどころに散りばめられた色彩と、効果的に置かれた花や金魚が美しくも儚い遊郭の街を印象付けています。主演の土屋アンナさんは演技というよりは、自分の魅せ方を心得ている感じ。花魁にしては彼女の顔立ちは外国人すぎるのですが、それを圧倒的な存在感で上手にカバーしていました。演技の方は、菅野美穂さん、木村芳乃さんがしっかりと濃く演じていたので、そちらで充分楽しめました。ストーリーはあってないようなものですが、吉原炎上のようなどろどろした感じはあまりなく、さっぱりと見れたのが逆によかったと思います。
4.04.0
映像は綺麗でした
蜷川実花さんが監督ということで綺麗な映像になるんだろうなと思っていたら、さすが!色彩はとても綺麗でした。出てくるキャストも豪華で、原作を読んだことがあったので、どういうふうになるのかを楽しみにしていましたが。土屋アンナさんもすごくカッコいい花魁だったのですが、個人的に好きだったのはやっぱり菅野美穂さんです。映像はとても綺麗でカラフル、全体的に赤といった感じです。見る人によってその感じ方は違うのかもしれませんが、私はあまりにカラフルすぎて途中で目がちかちかして気分が悪くなったのが残念でした。テレビや映画のフラッシュで気分を悪くしたことがある人は注意が必要かもしれません。
3.53.5
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