ブリキの太鼓のあらすじ・作品解説
ブリキの太鼓は、1979年に公開された西ドイツ・ポーランド・フランス・ユーゴスラビアの合作映画。原作は、ギュンター・グラスの小説「ブリキの太鼓」。監督は、「スワンの恋 」「セールスマンの死」「パリよ、永遠に」のフォルカー・シュレンドルフ。出演者は、 ダーフィト・ベンネント、マリオ・アドルフ、アンゲラ・ヴィンクラー。 舞台は1924年のダンツィヒ。生まれつき知能が高いオスカルは、ブリキの太鼓を貰った3歳の誕生日の日に、大人達の醜い世界を拒否するために成長を止めることにする。思惑通りに3歳で成長が止めることができたオスカルは、奇声でガラスを割るという能力で、世の不条理を訴えるのだった。ナチス党員の父アルフレート、オスカルの子育てに悩んで精神のバランスを崩していく美しい母アグネス、母の愛人であるヤンなど、3歳のオスカルの目線から見た大人の世界と激動の時代を寓話的に綴った作品である。 カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞、アカデミー賞で外国語映画賞を受賞。 2012年にBlu-rayが発売された。
ブリキの太鼓の評価
ブリキの太鼓の感想
奇想天外で挑発的な映画的陶酔を味わえる珠玉の名作「ブリキの太鼓」
この映画「ブリキの太鼓」は、1979年のカンヌ国際映画祭でフランシス・F・コッポラ監督の「地獄の黙示録」と並んでグランプリを獲得し、また同年の第51回アカデミー賞の最優秀外国語映画賞も受賞している名作です。 原作はギュンター・グラスの大河小説で、二十か国語に翻訳されていますが、あとがきの中でグラスは、この小説を執筆した意図について「一つの時代全体をその狭い小市民階級のさまざまな矛盾と不条理を含め、その超次元的な犯罪も含めて文学形式で表現すること」と語っていて、ヒットラーのナチスを支持したドイツ中下層の社会を、まるで悪漢小説と見紛うばかりの偏執狂的な猥雑さで克明に描き、その事がヒットラー体制の的確な叙事詩的な表現になっているという素晴らしい小説です。 この映画の監督は、フォルカー・シュレンドルフで、彼は脚本にも参加していて、また原作者のギュンター・グラスは、セリフを担当しています。 原作の映画化に...この感想を読む
一度見たら頭から離れ無い作品
ブリキの太鼓なんて映画は今の20代の人はほとんど知ら無いだろう。おそらく40代以上からようやく知っている人が少しずつ顔を出してくる程度だと思う。この映画は1度でも目にしたら頭からなかなか離れ無い作品であることは間違いない。ふとした瞬間にやってきて「そういえばあの映画のあのシーンが・・・」とフラッシュバックさせる魔力を持つ作品だと言える。古い映画なので映像美が優れているわけでもなく、音響が特段格好いいわけでは無いのだがこの作品の持つストーリーに思わず引き込まれてしまう。自ら成長を止めた不思議な(不気味な)少年が織りなす性の発露はあまりにもアンバランスである。また、この作品を通じて流れているエロ・グロ・ナンセンスといった古き時代の日本を彷彿とさせるような雰囲気は現代の「お利口さん」を追求した視聴者に一つの警句を投げかけるようでもある。映像美や表現芸術としての作品の価値をモラル・常識といった...この感想を読む
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