俺…あいつのことだけはどうしても一番大事なことなのに一番自信がねんだよ……
春田一恵
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潔く柔くはいくえみ綾原作の日本の少女漫画である。『Cookie』(集英社)に2004年3月号から2010年3月号まで連載された。第33回講談社漫画賞少女部門受賞作品。また、2013年10月には東宝系にて実写映画が公開された。 女子高校生を中心とした登場人物それぞれの成長と恋愛模様を数話完結のオムニバス形式で描かれている。ACT1からACT10まであり、由麻編、カンナ編、瑞希編、亜衣編、一恵編、禄編、百加編、音々編、朝美編、最終章・カンナ編という流れで展開されている。映画では、最終章・カンナ編がメインで実写化された。主要人物は、高校時代に幼馴染のハルタを交通事故でなくした瀬戸カンナ、小学4年生の時に事故にあい後遺症で小指を動かすことができなくなった赤沢禄、高校時代「冷血人間」と恐れられてきた禄の友人・梶間洋希である。カンナを中心にとりまくいくつもの青春と恋が圧倒的筆力で描き出された、生と死と恋の群像劇。
まったく関係ないところから第1話。先生に恋してしまったらしき、女子高生のお話だった。彼女は、痴漢から守ってもらうためにクラスメイトの男子を呼びつけつつ、痴漢に遭ってでも毎朝見かけたい相手がいた。クラスメイトの男子とは体の関係もあっさり持ってしまって、意中の相手はまるで自分を相手にしていない。好意をぶつけてみるけれど、届いていない。婚約者がいるんだという梶間先生。あなたはどんな人に恋したんですか?このままこのじれったい恋の行く末を見ていくことになるのかと思いきや、全然違うからびっくりする。梶間先生の恋した相手…とうまくいっていなかった話が入って、おや?婚約者ってハッタリ?って思っていたら、別サイドの人間の話が描かれて、なんだこの脈絡のない話の展開は…と読者を困らせる。そして、このお話は、ハルタの死を経験した、カンナ、朝美、マヤの3人がどうやってその死を乗り越えて新しい恋をするに至ったかを...この感想を読む
同級生の男の子の死という内容を扱いながらも、重くて疲れるかんじではなく、全体的にふんわりした空気感。でも、ちゃんと切なくて、悲しい。日常的には、笑ってるし、軽やかに生きていけますが、抱えてる胸の苦しさを簡単に忘れることなんてできない。社会的な場において笑う事はありますが、抱えた痛みは心の奥底でいつも疼いています。そんな主人公、カンナについて考えてみました。まず、カンナみたいにモテる女の子の気持ち私にはわかりませんでした(笑)いつも何もしなくても周りに男は寄ってくる。一緒にいても好きな男子はみんなカンナのことを好きになる。嫉妬せずにはいられません。どんなに可愛くて、悪気もなくて性格よくても、曖昧ではっきりしない態度に自分の好きな人が夢中になったりしたら、やっぱりカンナみたいな女の子と一緒にいるのは辛いです。物事はっきり言えばいいのに。そのはっきりしない態度でみんな周りは困ってるくらいに思う...この感想を読む
この1巻にすべてが詰まっているなんてことはありません。ゆまは通学電車で痴漢に悩まされていて、同級生のスワはゆまを守るために一緒に通学しふたりは付き合いはじめます。しかしゆまは毎朝同じ電車にのる生物教師の梶間のことが気になり・・・というのが1巻のあらすじになっています。このマンガは色んな人の視点から物語が進んでいきます。主人公になる人が移り変わっていくのでとてもリアルなマンガです。色々伏線がはられたりしてるので、後々読んでいるなかで、あ!あの時のあの人!とかこれはこうだったんだ!とか。すごいんです。日常にあるなんともいえない気持ちが見事に表現されているすごいまんがです。
春田一恵
いとこの清正に「カンナちゃんのことすっげぇ好きだもんな〜」と言われ、照れた後に寂しそうにつぶやいた場面
千家百加
クラスメイトの男子が他校の女子をアイドル(外から眺めるもの)だと言っていた場面。
千家百加
好きな相手が、自分の友達に惚れている状況での台詞。