さよならソルシエのあらすじ・作品解説
「さよならソルシエ」は、小学館の漫画雑誌「月刊フラワーズ」で連載が行われていた作品である。作者は穂積で、単行本は「フラワーコミックα」での刊行があり、「このマンガがすごい!」(宝島社)でもオンナ編で取り上げられている。 19世紀末の頃のパリ・モンマルトル通りの19番街には「グーピル商会」が構えられていた。グーピル商会の顧客の誰もがブルジョワ層の人間で、一流の画廊として知られており、その支店長のテオドルス・ファン・ゴッホが本作の主人公である。顧客の芸術の好みを知り尽くしているなど、テオドルスの画商としての能力は高く、魔法使いと称されることもある他、実力がパリでトップクラスとさえ言われている。芸術を愛し、さらに、新しい才能ある芸術家を追求していきたいテオドルスだったが、舞台である19世紀末は、時代として芸術が上流階級向けであるとされていたため、平民と芸術との交わりは薄かった。当時無名の画家、フィンセント・ファン・ゴッホを兄に持ち、彼の画家としての高い才能をテオドルスは見抜いていた。
さよならソルシエの評価
さよならソルシエの感想
嘘のようで本当かもしれないゴッホのお話
心情表現豊かなお話人の心に響く絵とは何か?それをかの有名なゴッホ、そしてその弟がこんな感じで広めたのかもしれない…という歴史をいじった物語がこの「さよならソルシエ」。生きている間にフィンセント・ファン・ゴッホ(以下、フィンセント)はまったく評価されることがなく、それが死んでからいきなり名をとどろかせる。これにはいったいどんな秘密が隠されていたのか?そんな秘密の1つの説を、テオドルス・ファン・ゴッホ(以下、テオ)の視点を中心に描いていきます。まさにタイトルの通り、魔術師らしく暗躍する感じのテオ。当時のフランスパリでは貴族たちの権威のもとに描かれる、いわゆる品格のある題材をモチーフにした絵画だけが価値のあるものとして流通していました。それをぶっ壊して、尊敬する兄の絵や、似たような若者たちの自由で市民の心を打つ作品が評価される時代になるようにするのがテオの目的です。そのために、自分が嫌われ役と...この感想を読む
ゴッホの一生は本当はこうだったのかもしれない
自分の気持ちを絵で表現しようとする人の気持ち絵で気持ちを伝えたい。画家や描くのは、その一瞬を切り取ったもの。そこから何が伝わるか、感じ取れるものは人それぞれなんだろう。描いた画家の生きざまを考えながら絵を眺めると、心は激しく揺れるみたいだ。画家として有名すぎるゴッホ。彼がなぜ評価されることになったのかを漫画として仕上げたこの作品。実はフィンセント・ファン・ゴッホには弟のテオドルス・ファン・ゴッホがいたっていうのが物語の始まり。1巻表紙がいかにも悪そうなテオの姿で、貴族絵画に物申し、自由な画風を世に広めようと暗躍するテオを表現しているようだ。時代はまさにフランスパリで画家があっちこっちで絵を描いているような時代。売れるのは貴族ども。それ以外はゴミのように扱われる時代だった。そんな時代でも、穢れを知らずに自由に絵を描くフィンセント。彼の絵は、写実主義っぽいが、温かな絵。そして、人の感動を同時...この感想を読む
新鮮
「さよならソルシエ」は、「式の前日」で有名な穂積先生の新刊です!19世紀末のパリが舞台のマンガで画家と画商、兄と弟。2人のゴッホの絆と確執、そして宿命を描いたお話になっています。式の前日がすごく面白くて大好きだったのでかなり期待しながら読んだのですが、さよならソルシエは、式の前日とは全く違った作品でこちらもすっごく面白かったです!ちなみにソルシエは、フランス語で魔法使いという意味だそうです。恋愛要素はいまのところなく、今までになさそうな内容でとても興味深く面白く読ませていただきました。気になる方はぜひ、読んでみてください。おすすめの一冊です。