村上ラヂオの評価
村上ラヂオの感想
読む人を寛がせてくれる文章&絵の本。
「anan」に連載されたエッセイをまとめたものということで、新潮文庫のエッセイシリーズ(村上朝日堂シリーズ)よりもいくぶんかやわらかめで、かつあそこまで無内容とならないように配慮された(ように私には見えた)エッセイ集。音楽に心身をとても癒やされたり、料理に適した音楽は何か?と考えたり、着陸の寸前にエンジンを停止した飛行機の中で、静寂に身をひたしたり…と、自身の経験のなかから、うるおいの部分を大事に取り出して構成したような、寛がせる感じの文章が多い本です。大橋歩のエッチングも、文章につかずはなれずグッドテイストを与えていて、開いただけで「いい感じ」が漂います。文庫も発売されていますが、この本は単行本での購入がおすすめです。「居住まいのいい」一冊です。