中学生 駅伝青春小説
いじめられっ子体質の努力家。ヤンキー。学内のお調子者。インテリ吹奏楽部員。気配り上手な陸上部部長。それを慕う後輩。 6人6色の中学生男子が駅伝大会に挑む、駅伝青春小説です。 区間ごとにメンバーそれぞれの視点でストーリー展開しており、それぞれの悩みや思いなどが伝わってきて、グイグイと心をキャッチされました。そして、駅伝を通してそれぞれが成長していく姿に心が温かくなりました。 「襷をつなげたい」だだそれだけで、全力で走り抜く男の子はなんてカッコイイんでしょう!がむしゃらに何かに一生懸命になっている姿っていうのは、世代を問わず胸が熱くなります。 それに「陸上部顧問になってしまった…」頼りないわりに観察力のある女美術教師のキャラクターも見所です。ちょいちょい良い仕事してくれて、彼らの良い刺激になっています。中学教師らしくないところが彼女の魅力です。「教師」としてではなく「人間」として彼らと向き合ってるところが◎。 その彼女の印象に残ったセリフ。 「中学っていくらでも失敗しても良い場所なんだって。人間関係でも勉強でもだんだって好きなだけ失敗したらいいって。こんなにやり直しがききやすい場所は滅多にないから。」 この言葉に妙に共感してしまいました。 中学なんかはるか昔に卒業して、すでに保護者世代の私ですが、息子が中学生になり思い悩んでいたら、この言葉を伝えてあげようと思います。
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