一気に読了できる、非現実
長かった下準備も終わり、ついに学校裁判がスタート。 検事、弁護人、判事、廷吏、証人、様々な人物が法廷に現れ、柏木卓也の死について真実に近づいていく。 宮部みゆきの文章は、とにかく読みやすい。 難しい言葉も出てくるが、これだけの長編をさらりと読ませてしまうところはさすが。 ただ、このストーリーは、やはり登場人物が「中学生」ということが気になるか否かで評価が分かれると思う。 小難しい事を考える中学生はいるし(現に自分がそうだった)、ニュアンスは異なるかもしれないが、読んでいる際に何度も頭をよぎった「巌頭之感」も16歳とまぁ中三に近いとしではある。 ただ、これだけの人物が揃い、大人も揃ってついていくという展開が、事実にもありえない小説、という感がありすぎて…。これが、高校だったらもっと楽しいのに、と何度思ったことか。 エピローグ、彼だけではなく、それこそ検事や弁護人の現在も知りたかったなぁ、という尻つぼみ感も少し残念。 でも、一気に読了できてしまう、そこがストーリーテラー宮部みゆきと改めて思う作品。
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