ぼやきばかりなのに、心を落ち着かせてくれる、海外長期滞在の記録。 - 遠い太鼓の感想

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遠い太鼓

4.674.67
文章力
4.50
ストーリー
4.33
キャラクター
4.17
設定
4.67
演出
4.50
感想数
3
読んだ人
4

ぼやきばかりなのに、心を落ち着かせてくれる、海外長期滞在の記録。

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
設定
5.0
演出
5.0

著者が『ダンス・ダンス・ダンス』『ノルウェイの森』を執筆しているあいだ長期滞在したヨーロッパでのことを綴った旅行記。 旅行記とはいえ、なので、記述のほとんどは生活にまつわる話題で、現地の名勝史跡を訪ねたり、珍しいものを食べたり、といったウキウキした旅行の様子はほとんどない。 むしろ、はじめての土地で生活の基盤を整えたりするのに苦心惨憺するような場面がほとんどで、書かれている作家自身も、書いている作家自身も、とても疲れているようにみえる。 そうう「ぼやき」の割合の高い本なのに、なぜか繰り返し読みたくなる中毒性がある。 旅行に携え、長時間移動の折や、時差ボケ解消のための睡眠の間際に読み返すと、異郷におかれた自分をとてもすんなり受け入れさせてくれる本である。 ぼやき、疲弊の合間に、素敵な宿との出会い、現地の食べ物のシンプルなすばらしさの記述などがあり、ほっとさせられる。 ある意味、読み手の側が真に真似のできない旅の記録であり、その距離感が、読み手を「遠く」へ旅立たせてくれるのかもしれない。

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他のレビュアーの感想・評価

旅とはとても身近で新鮮なもの

今話題の人気作家である村上春樹さんの作品ですね。分類的には旅行記かな。日本から遥か遠くにあるイタリアやギリシャで暮らした3年ほどの物語。普通の私たちのように観光地を周りホテルなどで過ごす日々とは異なり、彼の場合はアパートを借り、自炊し生活をした記録。もう日本にいるのとは変わんない感じで日常を過ごしているんですよね。買い物を市に行ったりちょっと外食に行ったりと、ほんと庶民的に、でもちょっとお国が違うのもアリ私たちにはちょっと新鮮な感じも与えてくれるかな。何気ない日常を過ごしているようでいろいろと驚かせてくれる出来事も多々あり、私たちに外国への憧れを与えてくれ、著者の書き方によって面白さを倍増させてくれています。日本から出たことのない方や海外に興味のある方はぜひ読んでみたらいかがでしょうか。そうすれば色々と何かを見いだせるかもしれませんし。きっと得られるものがあると思います。この感想を読む

4.54.5
  • 黝璽黝璽
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  • 391文字

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