イマイチ感情移入出来ない
類似作品との違い
設定的にはありそうでない感じだけど、なんとなく見てみようかなと思ってみた作品。
あれだけ生徒には興味がなかった先生がどういうきっかけで好きになるのかが気になった。
年齢的にも恋愛してはいないという法律があってそれに歯向かってまでする恋愛ってどういう
心理なのかという興味もあった。そんな中、1つの疑問が沸く。
はたして今どきあんな先生いるんだろうかと。
容姿で運命が変わる
例えば先生が「お前のことなんて好きにならない」って言ったとしよう。
これがイケメンの先生なら生徒が自分を好きにならないようにあえて言ってくれているととれそうだ。
そこまで言ってありますので、という先生側の防御策も見て取れるし保護者も納得してしまうだろう。
生徒の方も、そういう冷たいところがいいと勘違いしそうだ。
しかし、それがお世辞にもかっこいいと言えずおじさん先生だったらどうだろうか。
生徒に向かってそんな言葉を言うなんて先生としておかしい、いじめだと言われてしまうのではないだろうか。生徒もなんだこいつと反感しか感じないだろう。先生がかっこよければ誘惑している言葉になって、そうでない先生だといじめになるってなんだか変な世の中だけど、人の感じ方って結局はそういうものなんだなとか冷静に思っちゃったりする。
この、同じ言葉を言っても、言った人によって受け取り側の印象が変わるという症状はいったい
なんだろう。人の印象と言うのは見た目がすべてであることを教えてくれる。
なら逆にそういう方面の話があっても面白いんじゃないかと思う。みんなに問うような内容のね。
それで容姿っていかに人の考え方を変えてしまうのかという怖さを知るって意味で必要だと思う。
容姿がよければ女も男も許される範囲が広がっていると思う。それってなんかおかしいよね。
かわいければちょっと謝っただけで許されるというのも同じじゃないだろうか。
そういえば昔、電車で痴漢騒ぎがあったけど捕まえた方がいわゆるオタクの格好で、捕まった方がスーツを来てたことがあったっけ。つまりはそういうこと。話が映画から脱線してしまったけど要はそんなことも、もう一つの脳で考えながら見てるんだもの集中できてないしあの容姿とオシャレさで
ここまで色々と考えてしまう設定ってなんだかなと。かと言って容姿がよくない先生との恋愛を若い子が見て共感できるほど世の中甘くないのも現実なのだ。
結局は顔
長い時間見ているのに絶えない顔というのがあるらしい。先日視聴者からの意見を聞いて改善するというような内容の番組を見た。その際若い女性たちの中である俳優の顔がどうにも受け入れられず1話で見るのを辞めたという意見があった。その女性が言うには自分の周りの人たちもその俳優の顔が無理で
内容が入ってこない、感情移入がどうにもできないと言っていたというのだ。確かに俳優がかっこよければドキドキするだろう、我々はドラマや映画に非現実的なものを求めている傾向にある。特に映画はお金を払って見る場合が多い。顔の好き嫌いはあるのは仕方ないが、現実を考えると顔だけではない
はずだとわかっていてもあえてこちらから見たいか?と問われると男性も女性もある程度は素敵な方が
いいのは納得できる。そしてそれぞれギリギリのラインがあるんだろう。
設定の違和感
映画の内容にもどろう。この映画には沢山の違和感がある。
あれだけ生徒がいるのに、まじめで頭がいい彼女だけがなぜ残勉しないといけないのか?
もっと出来ない奴なんて沢山いるだろうに、この展開は無理な設定すぎる気がして悩む。
でもそこはなんか理由があるんだろうなと見ないふりをした。
教室で隠れたシーンにも違和感を感じてしまいときめき度が半減してしまうのだった。
これは本当に残念で残念で仕方がない。
なんとかみんなに気づかれずに隠れることが出来たとして、まず最初の疑問は、教卓って下に
隙間ありませんでしたか?ということ。最前列の生徒、特に窓際と廊下側の生徒なら斜めからの配置になるから足とか見えませんか?と始終気になってしまう。あ、もしかしたら隙間のない教卓なのかもしれない、と思って確認してみたけど教卓の下の方が写ってないからわからない。そして最前列の
斜めの生徒の席は案外後ろだったからあの角度なら見えないかもしれないと思いなおすことが出来た。
これで、生徒は全く気が付かないのに廊下を歩いていた先生からは見えてしまったという奇跡にもなんとなく目をつぶることが出来た。
しかし、先生と生徒の関係がばれた時の対応はあれじゃすまないでしょ?って思いましたよね。
今の時代こんなに軽くすむことないでしょ?大問題になりますよ。
いくらいとこの先生がだまっていたってあれだけ生徒の中で話題になっていたら保護者入ってきて
大事になるし、今の時代拡散、拡散ですぐに広まってしまうでしょう。
脚本がよくないのか?
好きになるのも早いけどそこからいきなり結婚というワードが出た時はえ!?て思った人が
多いと思いますが原作もこうなんでしょうか?
いくら自分から好きになったことがないとか、嘘が嫌いとかっていう先生側の設定があったとしても
好きからの結婚が早すぎやしないか?それを聞いた生徒の戸惑いもそんなに感じられないし、
自分の夢と先生と一緒にいることを天秤にかけるところもあっさりとしたもんで、映画だから
そこに時間を使うのが難しいんだろうけどとにかく重要な部分があっさりしすぎている。
嘘が嫌いな先生が唯一ついた嘘が生徒の夢のために好きじゃなくなったと言うんですよ。
そこ、こんなに軽くさらっとしてていいのかなと思っちゃいますよね。
設定としてはありがちだし、周りの友達もそれに気が付かないとか今どきあるのかしら?って。
誰も、あなたの為に先生嘘ついてるかもよって言ってあげないっていうね。
先生も普通に待ってるって言えばよかったんじゃないの?って思う。
どきっとする場面
この辺で一度映画のポイントとなるキュンキュンする瞬間についても話しておきたい。
彼女がノートに書いた言葉はまっすぐで嘘がなくて本当の気持ちが書かれていたと思う。
どうしたらいいかわからないけど好きという気持ちが伝わったからこそ先生の気持ちも
動かされたんだと思う。ペンを落として拾うふりをしてキスというシチュエーションは
実際やるとなると場所や人が限られてくる超貴重な体験になりそうだが、こんなことが本当にあって
誰にもばれなかったとしたらこれは体験した人はかなりの武勇伝となるだろう。
映画にのめり込めなかった理由
いちいち名前のことを言いたくはないが、苗字、言いにくそうだなというところに意識が言ってしまい、イマイチのめりこめない感があった。この映画はこういう所が非常に多い気がする。
無表情でもただおとなしいだけの生徒ではなく、どことなく存在感がある。
頭がいいと目立ってもおかしくないけどよくある優秀な人間のそれとは違って、偉そうでもなく
暗そうでもなく、なんか気になってしまうような雰囲気を出していると思う。
周りの友人たちも自然でいい。悪目立ちせず主人公の引き立て役を演じていると思う。
ただ、先生を慕う生徒からのいじめはなんともチープで、まぁここに焦点を当てているわけではない
だろうからこんなもんでいいんだろうけど、閉じ込められた時もわりとすぐに助けが来て頭にハテナが浮かんだ。え?すぐ先生に話しちゃったの?って感じ。
こんな風に、見ている最中ずっとあれ?と思わされるシーンが多すぎての映画に集中出来ない。
だから、感情移入の出来ない映画、に終わってしまったようにさえ感じる。
私の場合、何も感じない作品になってしまってとても残念だ。
映画を見る前の期待を完全に裏切られたように思う。
しかしそれで終わらないのがこの映画
これだけ色々言っているけどこの映画の不思議なところは、なんか納得できちゃうというところだ。
違和感が沢山ある、そして感情移入できないのになぜか、ま、いっかと思わされる。
これはなんでなのか見終わったあと色々と考えてみたが私なりの結果として原作がしっかりしている
という結論に至った。原作を知らないのでなんとも言えないが、限られた時間の中で詰め込みたい部分が沢山あって重要なところが切り取られ過ぎていてもったいない!
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