分かっているけど、つい見てしまう
お決まりのパターンだけど
冒険家で考古学教授であるインディアナ・ジョーンズの活躍を描いたシリーズ3作目はある意味シリーズの集大成とも言える作品です。時は1938年、インディの元に大富豪のドノヴァンという男が現れる所からこの冒険はスタートします。キリストの聖杯の在り処を記した遺物を手に入れた調査隊隊長が行方不明となり、彼を捜して欲しいというものでした。ここまではよくあるパターンです。ですがここからかなり驚かされました。その行方不明となった隊長というのがインディのお父さんだったのですっ。そういえば、今までインディのプライベートってほとんど出て来ませんでしたよね。更に、インディアナ・ジョーンズが本名でないという事にも驚きました。本名はヘンリー・ジョーンズ・ジュニアというそうで、ジュニアと呼ばれるのが嫌で、飼っていた犬の名前からインディアナ・ジョーンズと名乗るようになったそうです。って、飼っている犬の名前付けますかフツー。でも、そういう所もなんだかインディらしい気がするから不思議です。しかし、このシリーズはなんだってつい見てしまうんでしょう。大抵分かりますよ。ここで穴が開くとか、ここで騙されるとか。分かっているのについ見てしまうのが自分でも不思議です。おそらくこの頃はまだ考古学というジャンルもさほど知られてはいなかったし、インディのムチさばきがあまりにも格好良かったからかもしれません。そういえば、なぜインディがあれほどムチが上手なのかも明かされていましたよね。彼はボーイスカウトに居たんですね。だからと言ってあれほどムチさばきがうまくなるとは思えませんが、顎の傷は十字架の盗掘団との戦いが原因というのは驚きです。更に注目すべきはインディのお父さんですよね。聖杯研究に没頭するあまり家庭を顧みなかったというインディの話ですが、これまたすごいお茶目なお父さんなんですよ。インディと飛行機に乗って敵と戦っている時に、自分の飛行機の尾翼を撃ってしまうシーンは分かっているのに見る度に笑ってしまいます。しかし、エルザという女性は結局なんだったのでしょう。ナチスと手を組む姿は『ルパン三世』の峰不二子のようですが、あそこまでカッコ良くもなれませんでした。彼女の存在は本当に必要だったのかは謎です。いつもと同じパターンなのについつい見てしまうのは、以外とこの「お決まり」のパターンが人は結構好きなのかもしれません。そのお決まりの中でも、何が起きるか分からないドキドキがつい見てしまうという最大の理由ではないでしょうか。
豪華な父子
主人公を演じているハリソン・フォードはもちろん当たり前ですが、インディの父親であるヘンリー・ジョーンズを演じたショーン・コネリーの登場には誰もが驚いたと思います。ショーン・コネリーといえば『007シリーズ』が有名ですが、今回の彼の起用も実はこの『007』が大きく関わっているのです。実はスピルバーグ監督は当初『007』シリーズを撮りたかったやしく、その事をジョージ・ルーカスに提案します。その事がキッカケでヘンリー役にショーン・コネリーが選ばれたそうです。ショーン・コネリーは引退後に演じた役の中でヘンリーが一番好きだと言っていたそうです。確かに、ヘンリーのどこかお茶目な一面はジェームス・ボンドにも通じるものがあります。かつてこんなに豪華な父子が居たでしょうか。まぁ、実際のハリソン・フォードとショーン・コネリーの年齢差は12歳しかないらしいのでちょっと無理がある親子設定だったのかもしれません。そして、もう一人。インディの若かりし頃を演じたリヴァー・フェニックスの存在も外せません。わずかなシーンでしたが、とても印象的でした。今思うと本当に豪華な共演だったんですね。
実際は地味なんですね
映画の中では、あれほど派手な考古学という職業ですが、実際の考古学教授というのはとても地味な職業だそうです。どうしてもインディのイメージが強くて、考古学をされている人は皆、世界中を旅していて、私達が見た事もないような歴史の一部を採掘しているのかと思っていました。それこそ、古代の秘宝や人類にとってものすごい研究をされていると思っていただけに、実際の考古学教授を知った時にはちょっとガッカリしました。こんなに地味なお仕事とは思ってもいませんでした。実際の考古学教授の授業というと、古代の人々の暮らしを研究したり、恐竜の化石を丁寧に発掘したりする事らしく、全然冒険的ではありません。その為か考古学を専攻する人もだんだん減って来ているらしく、これはこれで危機的状況なのかもしれません。だって、考古学を勉強する人が居なくなったら、誰が地球の歴史を調べるのでしょうか。地味な仕事かもしれませんが、人類にとってはなくてはならない職業なんですね。その為にもまた『インディ・ジョーンズ』のような映画が出来ると良いですね。
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