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- 作家の責任とは・・・
3.353.35
- 映像
- 3.70
- 脚本
- 3.05
- キャスト
- 3.95
- 音楽
- 3.95
- 演出
- 3.40
- 感想数
- 10
- 観た人
- 17
ビヨークが好きで、試写会で学生の頃、観ました。
カトリーヌ・ドヌーブまで出演する贅沢な作品かと思いきや、衝撃の走る作品です。衝撃を与えたいためだけに作ったのでは?と思わせる、謎の作品だと思います。ある意味、今でもわたしのトラウマ映画の一つです。
あれから十年以上も経ちますが、当時、なぜこの作品を作者が作ったのか、理解できませんでした。しかし、今となってはもはや理解したくないとすら感じるところがあります。というのも、そのためには、ひどい作品を思い出さないとならないためです。
まず、救いようのない弱者なだけでなく、愚かさを与えられた主人公の設定にイライラさせられます。それから発砲してしまう場面で、変にリアルなカメラワークを用いる手法も、大画面で見ていると酔いました。あれ、いったい、誰の目線なのでしょうか!?
救いようのない悲劇の連続にももちろん腹が立ちます。社会の暗さや人生の生き難さを描くとしても、なぜこの方法を選んだのか、理解に苦しみました。
こちらが積極的にいい解釈を映画に与えようとしても、それは観終わった人が独自に解釈するしかなく、そのガイドラインになるようなストーリーも感じられない。これって、作家として不親切きわまりないと思うのです。映画祭に出品するとしても、部門を考えるべきでしょうし、日本も賞をもらった作品だからと言ってどこでも上映していい作品でないことをよく考えるべきだったと思います。「ある視点」という限定があれば、この作品もアリかな、と思えたかもしれません。
デンマークは、安楽死や死刑について、踏み込んだ姿勢を持っている国ですし、かなり過激なテレビ番組も制作されていると聞きます。そのような背景からこの作品が生まれたのかなぁ、ということで自分を納得させたりしていますが、この作品を世に送り出した監督に会うことがあったら、ちょっと待ちなさい、と言いたいものです。
芸術作品とは、作り手の悪意など入り込む余地などない(まして大衆が目にする映画など!)と信じていた当時の私にとって、彼の良心とは、非常にわかりづらいものだったな~、と優しく理解するしかないように思うのです。ある意味、彼は、世界に対してとても暗くて重たい責任を負ったと感じています。
結局、わたしはあまりに辛くてラストシーンは目を閉じ、耳も塞いでしまいました。生涯観ることはないでしょう。怒りを湧かせる作品を作ってくれたなぁ、という感じです。
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他のレビュアーの感想・評価
あまりにも悲しすぎる。
アメリカの田舎町で、工場で働きながら息子と暮らす移民のセルマは、辛い状況のとき、空想の中で歌ったり踊ったりすることが唯一の救いだった。自らも病気で視力を失いながら、息子のために必死に働いてお金を貯めるが・・・世界的ミュージシャンのビョークが主演を務めるミュージカル映画ということで観ましたが、ミュージカルシーンと現実の過酷な落差が激しすぎて、見ていて切なかった。セルマがあまりにも不運すぎて、理不尽さや悔しさを感じてしまうほどです。ラストは衝撃すぎて、とても悲しい気持ちになりました。映像や歌のシーンの迫力は素晴らしいですが、好き嫌いがかなり別れる作品だと思います。
4.04.0
大好きか、大嫌いか、
ミュージカルというと「サウンド・オブ・ミュージック」を想像する私にとっては、こんな雰囲気のミュージカル映画もあったのか、と衝撃を与えられるほど驚いた。不運に次ぐ不運はどこで歯車が狂ってしまったのか。どこかで留めることができないものかと歯がゆくなってしまう。きっと好きな人はものすごく好きなんだろうけれど、受け入れられない人には拒否反応すら感じてしまうかもしれない。私もどちからかというと苦手意識を持ってしまった方の一人だ。ミュージカルがセルマにとっての救いなら、ラストにほんの少しだけでも光が見えないとバランスがとれない。それから独特のカメラワークもかなり気になるポイントだった。家庭用のカメラで撮ったかのような不安定感で酔ってしまいそうになった。
2.02.0
ビョークの世界観
これは、映画というよりもビョークの音楽PV映像って感じでしょうか。 映画として観ると、わけわからないのですが、その中に出てくるビョークの音楽は、何だか切なく心に響いてきます。 地の底から湧きあがる音楽というイメージです。 人に理解してほしい目的で作ったわけではない気がします。 ただひたすらビョークの世界を観てる人に押し付けてきて、不快になりそうなんだけど、それでも観てしまう不思議な感覚にとらわれます。 歌なのか叫びなのかわからないのに、引き込まれてしまうんですよね~。 何回も観る映画じゃなく、一回でお腹いっぱいになります(笑) でも、しばらくたつと、ふと思い出してしまう・・・そんな映画です。
4.04.0
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