ダンサー・イン・ザ・ダークのあらすじ・作品解説
ダンサー・イン・ザ・ダークは、2000年カンヌ国際映画祭パルムドール&主演女優賞(ビョーク)受賞を受賞したラース・フォン・トリアー監督によるデンマーク映画である。2000年9月8日にデンマークにて公開され、2000年12月23日に日本で公開され、主題歌「I've seen it all」はゴールデングローブ賞・アカデミー賞の歌曲部門にノミネートされた。 主演のセルマに、アイスランドにてカリスマ的人気を誇る歌手ビョークを、キャシーにカトリーヌ・ドヌーヴ、ビルにテヴィッド・モース、ジーンにヴラディカ・コスティックを起用している。 セルマは息子のジーンを女一人で工場で働きながら育てている。ただし、セルマは遺伝性の病を患っており、視力が失われつつあった。遺伝であるため、ジーンも13歳までに手術を受けなければ視力が失われてしまう。セルマは工場で働き、内職をしながらジーンの手術費用を貯えていたが、工場勤務を解雇されてしまい、貯めていたお金も盗まれてしまう…。
ダンサー・イン・ザ・ダークの評価
ダンサー・イン・ザ・ダークの感想
作家の責任とは・・・
ビヨークが好きで、試写会で学生の頃、観ました。カトリーヌ・ドヌーブまで出演する贅沢な作品かと思いきや、衝撃の走る作品です。衝撃を与えたいためだけに作ったのでは?と思わせる、謎の作品だと思います。ある意味、今でもわたしのトラウマ映画の一つです。あれから十年以上も経ちますが、当時、なぜこの作品を作者が作ったのか、理解できませんでした。しかし、今となってはもはや理解したくないとすら感じるところがあります。というのも、そのためには、ひどい作品を思い出さないとならないためです。まず、救いようのない弱者なだけでなく、愚かさを与えられた主人公の設定にイライラさせられます。それから発砲してしまう場面で、変にリアルなカメラワークを用いる手法も、大画面で見ていると酔いました。あれ、いったい、誰の目線なのでしょうか!?救いようのない悲劇の連続にももちろん腹が立ちます。社会の暗さや人生の生き難さを描くとしても...この感想を読む
あまりにも悲しすぎる。
アメリカの田舎町で、工場で働きながら息子と暮らす移民のセルマは、辛い状況のとき、空想の中で歌ったり踊ったりすることが唯一の救いだった。自らも病気で視力を失いながら、息子のために必死に働いてお金を貯めるが・・・世界的ミュージシャンのビョークが主演を務めるミュージカル映画ということで観ましたが、ミュージカルシーンと現実の過酷な落差が激しすぎて、見ていて切なかった。セルマがあまりにも不運すぎて、理不尽さや悔しさを感じてしまうほどです。ラストは衝撃すぎて、とても悲しい気持ちになりました。映像や歌のシーンの迫力は素晴らしいですが、好き嫌いがかなり別れる作品だと思います。
大好きか、大嫌いか、
ミュージカルというと「サウンド・オブ・ミュージック」を想像する私にとっては、こんな雰囲気のミュージカル映画もあったのか、と衝撃を与えられるほど驚いた。不運に次ぐ不運はどこで歯車が狂ってしまったのか。どこかで留めることができないものかと歯がゆくなってしまう。きっと好きな人はものすごく好きなんだろうけれど、受け入れられない人には拒否反応すら感じてしまうかもしれない。私もどちからかというと苦手意識を持ってしまった方の一人だ。ミュージカルがセルマにとっての救いなら、ラストにほんの少しだけでも光が見えないとバランスがとれない。それから独特のカメラワークもかなり気になるポイントだった。家庭用のカメラで撮ったかのような不安定感で酔ってしまいそうになった。