男はつらいよ　フーテンの寅のあらすじ/作品解説

森崎東の演出でひと違った寅さんを！

「男はつらいよ」シリーズの第３作目です。脚本はお馴染みの山田洋次・小林俊一・宮崎晃が担当していますが、監督は今回、森崎東です。山田監督の作風とは違いやや渋めの演出で、泥臭さと人々のエネルギッシュな描写が得意な監督の演出と山田監督の作品と見比べてみるのも面白いでしょう。今回はシリーズの中でもさくらと寅さんの関わりが少ないのも珍しいです。しかし、おいちゃん・おばちゃんが来ていた温泉旅館にいきなり寅さんが現れたり、障子の向こうに居るはずのないマドンナに語りかけたりというシーンが盛り込まれていて、いつもの寅さん健在です。特に山田演出との違いが分かる、娘の父と寅さんとの長回しのワンカットシーンは、注目です。