寅の味は家庭の味
山田洋二監督の寅さん、マドンナは吉永小百合。寅さんは、昭和の時代を語る御伽噺のレベルにある日本人の原点だ。大家族で兄や妹と義理の兄弟やお隣さん達がわいわいと生活をしている、決して金を貯めようとか成功しようとかの欲望無しに労働を営む。日々繰り広げられる小さな諍いや口げんかを繰り返しはする、口げんかの後は集まって食事をする。家族とは、共に食事を出来る間柄の事だろう。喧嘩は簡単だが、度合いを図ってする喧嘩は技術が必要だ、寅さんの家族はまさに最後のような事を言い募りながら、心の中では信用があるという、甘えとも信用ともどちらとも言える関係がそこに見える。今回の寅さんは好きな人が訪れてくるが、彼女の好きな人が居るという話を寅に打ち明ける。彼は、自分の事は決して言わないで、彼女の利益と喜びを一番に考える。辛くなったり、意地悪な気持ちになった時に見る映画だ、東北の震災の後、避難所で皆が集まって寅さんの...この感想を読む
4.54.5