あんなふうに、踊って、人様によろこんでもらえる仕事、あってもええんでねぇが?
谷川千代
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福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)を舞台にした、2006年公開の映画である。監督は『69 sixty nine』の李相日。第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、第80回キネマ旬報ベストテンにおいて、邦画第1位を獲得するなど、多数の映画賞を受賞する人気の作品となっている。 炭鉱の閉山で活気を失った町の人々が、苦悩に立ち向かいながらも、起死回生の試みとして計画されたレジャー施設<常磐ハワイアンズセンター>を成功へと導く感動秘話を描いた作品である。 フラダンスの教師役を演じたのは、松雪泰子。ダンサー役の蒼井優をはじめ、山崎静代など出演者らが披露する、3か月の猛特訓を積んだという圧巻のフラダンスが見どころの一つ。 2011年には、3月11日に起きた東日本大震災で甚大な被害を受けた当施設の営業再開へ向けたドキュメンタリー映画『がんばっぺフラガール!』が公開された。
実際あった話がベースなだけにストーリーは非常に自然で、気づくとその世界観に入り込んでしまっている感じであっという間の2時間だったような気がします。やはり一番印象的だったのはキャスト陣。特に松雪泰子さんは相当ダンスの練習を積んだと言われているだけあって一瞬本当のダンサーに見えるほどでした。他のキャスト陣も見る目は正直「えっ!?しずちゃん??」と思っていたのですが、いざ観終わると、あの役はしずちゃんにしかできない感じがします。なかなか日本の映画界にはいない貴重な人材だと思います。今、福島は苦しんでいます。世界からは福島に人が住んでいると驚きすら待たれています。そんな福島でも今もフラガールが元気にダンスしていると思うと、より一層復興のスピードを早めなくてはいけないと思わされる、ほのぼのとした中に笑いあり涙ありの日本映画の良さを体現したような映画だと思います。この感想を読む
福島県にあるスパリゾートハワイアンズ誕生までの実話を元にした、フラガール達の奮闘を描いた作品。フラガールを演じた女優さんたちは基礎から本格的にフラダンスを特訓したそうで、最初の全くだめだったところから、よくぞここまで・・・と感心してしまうほど、終盤のダンスシーンは本当に見応えがあります。また、やる気のなかった松雪泰子さん演じる講師が、生徒たちの気持ちを受けて次第に熱心になり、心の支えとなっていく過程が素晴らしかったです。先生が街を去る時、みんなで駅で無言でフラを踊るシーンは、ベタですがとても好きでした。また、岸辺一徳さん、豊川悦司さん、寺島進さんなどベテラン陣が所々で笑いを誘っていて、非常にいい味を出していました。
福島県いわき市の新しい名所として、常磐ハワイアンセンターを作るということで、家族が炭鉱で働くセピア色の街の中で生まれ育った主人公が、友人に誘われてフラガールの説明会に行きますが、いつしか本気でフラガールになるために成長していきます。ただし、ヒロインの母親からひどく反対されたり、自分を誘ってくれた友人が引っ越したり、ダンス教師の方にも色々家庭で悩みを抱えていて事が進まなかったり、ハワイアンセンターがもうすぐ完成するのに、フラガールたちは全然できていなかったり、色々悩みがある中で迎えたフラガールの初舞台はどうなるか・・・・・・。常磐ハワイアンセンターは子供の頃に行った事がありますが、フラガールたちが日本にいるにも関わらず見事なフラダンスで子供心に驚いた思い出があります。ハワイアンセンターが出来上がるまで、フラガールたちだけでなくそれを取り巻く大人たちの葛藤であったり、ダンス教師の思いであっ...この感想を読む
よみがな:たにがわちよ
谷川千代
石炭が石油に押されてきた昭和40年頃、福島県の常磐炭田は閉山に向かいリストラが行われ、それと並行してドーム状の温室・常磐ハワイアンセンターをつくる計画が進行し、その目玉企画は炭鉱娘たちのフラダンスショーだった。東京から来たダンサー・平山まどかの指導のもと、素人娘たちは訓練に励む。リーダーの谷川紀美子の母はこの計画に大反対していたが、真剣に訓練に励む娘・紀美子たちの姿を見て、その考え方を変える。