ダンサー・イン・ザ・ダークの感想一覧
映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」についての感想が10件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
あまりにも悲しすぎる。
アメリカの田舎町で、工場で働きながら息子と暮らす移民のセルマは、辛い状況のとき、空想の中で歌ったり踊ったりすることが唯一の救いだった。自らも病気で視力を失いながら、息子のために必死に働いてお金を貯めるが・・・世界的ミュージシャンのビョークが主演を務めるミュージカル映画ということで観ましたが、ミュージカルシーンと現実の過酷な落差が激しすぎて、見ていて切なかった。セルマがあまりにも不運すぎて、理不尽さや悔しさを感じてしまうほどです。ラストは衝撃すぎて、とても悲しい気持ちになりました。映像や歌のシーンの迫力は素晴らしいですが、好き嫌いがかなり別れる作品だと思います。
大好きか、大嫌いか、
ミュージカルというと「サウンド・オブ・ミュージック」を想像する私にとっては、こんな雰囲気のミュージカル映画もあったのか、と衝撃を与えられるほど驚いた。不運に次ぐ不運はどこで歯車が狂ってしまったのか。どこかで留めることができないものかと歯がゆくなってしまう。きっと好きな人はものすごく好きなんだろうけれど、受け入れられない人には拒否反応すら感じてしまうかもしれない。私もどちからかというと苦手意識を持ってしまった方の一人だ。ミュージカルがセルマにとっての救いなら、ラストにほんの少しだけでも光が見えないとバランスがとれない。それから独特のカメラワークもかなり気になるポイントだった。家庭用のカメラで撮ったかのような不安定感で酔ってしまいそうになった。
ビョークの世界観
これは、映画というよりもビョークの音楽PV映像って感じでしょうか。 映画として観ると、わけわからないのですが、その中に出てくるビョークの音楽は、何だか切なく心に響いてきます。 地の底から湧きあがる音楽というイメージです。 人に理解してほしい目的で作ったわけではない気がします。 ただひたすらビョークの世界を観てる人に押し付けてきて、不快になりそうなんだけど、それでも観てしまう不思議な感覚にとらわれます。 歌なのか叫びなのかわからないのに、引き込まれてしまうんですよね~。 何回も観る映画じゃなく、一回でお腹いっぱいになります(笑) でも、しばらくたつと、ふと思い出してしまう・・・そんな映画です。
全てがダメだった
評価も賛否両論あり、好き嫌いも両極端な「ダンサー・イン・ザ・ダーク」色々言われているし、結構周囲に「いい」という人が多かったので、思い切って見てみたのですが、完全に合わない映画でした。映画がどうこう言うよりも、生理的にどうしても受け付けない映画と言うか、見ていて具合が悪くなりました。救いがないのは構わないのですが、音楽とか映像とかがどうしても観ていられない感じで、拒絶反応が起こります。色んな人がいいと言ってるし、多分いいんだろうと思って見るのは間違いの元だと思います。どうしても自分が見たいと思って、見て後味が悪くても、人のせいにしないという覚悟が固まってから見た方がいいと思います。
どうしても不運から抜け出せない、でもピュアな人生だと思います。
これほど絶望に満ちた映画が他にあるだろうか?レ・ミゼラブルに近いのかな。 でも絶望の中にも微かな希望があるからこそ成りたつわけなのかなと思います。愛する者があるからこそできる悲劇、でもそこには心の強さがあると信じたいです。もっと利口に要領よく生きれると思うけど、彼女にはそのすべはなかった、でも心の強さがとても伝わってきて、感動しました。正直見た直後は、一緒に見ていた旦那とも言葉かわすことが出来ないくらいでしたが、今でも心に深く残っています。楽観的に映画を見たい人向けではないです。悲劇なのか、でもよく考えてみたらハッピーエンドなのか、それさえも分からなくなるほど濃い映画だと思います。
音楽と映像が美しい
ビョークが出ているというだけで話題性はたっぷりだ。生きるためのさまざまな行動が重なって、罪人となってしまうセルマ。子供を想う気持ちが強く、重たくて切ない。ビョークを起用しているだけあって音楽はすばらしい。どことなく不安定な歌声、音楽。ラストシーンでのアカペラ、歌っている途中で処刑されるあたりはとても残酷。死刑になることできれいに終わっていると感じた。釈放されて、これからどうしようかな、というラストだったら、もっともやもやしていたとおもう。こういう、絶対的正義や絶対的悪のない映画って見ていてもやっとする。何が言いたいのかもあまりよく分からない。衝撃とビョークでごり押ししてる感じは否めない。
結末は衝撃的!賛否が分かれる作品
感動できる映画で、どんな批評ランキングなどにも名を連ねている作品だけに期待をして観たのですが、想像以上にとにかく暗い!重い!ビョークさんの音楽も手伝っていると思いますが、重すぎて感動というよりは疲れた記憶が残っています。映画の全てがハッピーエンドになることを期待しているわけではないですが、映画なのでフィクションの世界。特にエンディングはここまで残酷にする必要性があるのかと観た後の後味は良いものではありませんでした。確かに戦争が各地で行われていた時代の過去を知るには良いのですが、感動できる人と、そうではなく興ざめしてしまう人、両極端に分かれる映画だと思います。
作家の責任とは・・・
ビヨークが好きで、試写会で学生の頃、観ました。カトリーヌ・ドヌーブまで出演する贅沢な作品かと思いきや、衝撃の走る作品です。衝撃を与えたいためだけに作ったのでは?と思わせる、謎の作品だと思います。ある意味、今でもわたしのトラウマ映画の一つです。あれから十年以上も経ちますが、当時、なぜこの作品を作者が作ったのか、理解できませんでした。しかし、今となってはもはや理解したくないとすら感じるところがあります。というのも、そのためには、ひどい作品を思い出さないとならないためです。まず、救いようのない弱者なだけでなく、愚かさを与えられた主人公の設定にイライラさせられます。それから発砲してしまう場面で、変にリアルなカメラワークを用いる手法も、大画面で見ていると酔いました。あれ、いったい、誰の目線なのでしょうか!?救いようのない悲劇の連続にももちろん腹が立ちます。社会の暗さや人生の生き難さを描くとしても...この感想を読む
うたれ強さが招いた悲劇
世界の歌姫ビョークが主演をつとめると聞き、映画館へ観に行きました。不幸な状況におかれると、大好きなミュージカルの妄想で回避する主人公セルマ。そんな無垢な主人公に、これでもかというくらいの不幸が畳み掛けます。この監督の作品は、とにかくドSなものが多いので、覚悟はしていましたが、想像以上でした・・・映画館のあちこちからすすり泣く声が聞こえました。隣で見ていたおじさんも泣いていました。しかしその涙は感動の涙ではなく、「お願いだからもうやめてあげて!」という涙でした。「私は演技はできないから、セルマそのものになるしかなかった」というビョークの演技は生々しく、心をうちました。拷問のように椅子に縛り付けられ、歯を食いしばって耐えました。ビョークの楽曲は素晴らしく、RADIOHEADのトム・ヨークとデュエットもしているので必聴です。
衝撃すぎるラストに涙が止まりません
ミュージカル風の演出がたくさんあって、またビョークの歌とダンスが素敵すぎて映画の世界に引き込まれます。ネタバレになりますが、HappyENDを想像しながら観ていたのでラストの衝撃は、言葉での表現ができません。最後の最後までHappyENDになる展開が来ると思っていたので、、、映画館で観た時は、エンドロール中に帰る人は一人もいませんでしたし、映画館が明るくなってからもすぐには立ち上がれず全体的に放心していたような感じでした。改めて、ラストを知っていながら観ても余計に涙が止まりませんでした。こんな映画は邦画では観れないですね。かなりおススメです。