超能力ギャグ漫画が面白すぎる - 斉木楠雄のψ難の感想

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漫画レビュー数 3,136件

斉木楠雄のψ難

4.254.25
画力
3.75
ストーリー
4.25
キャラクター
4.25
設定
4.13
演出
4.63
感想数
4
読んだ人
11

超能力ギャグ漫画が面白すぎる

4.54.5
画力
3.5
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.5

目次

欠点だらけが逆に好き

これだけ続いているのは本当におもしろいから。いつでも安定の笑いを届けてくれる楠雄ファミリーとクラスメイトたちはすごいね。掘っても掘っても出てくるのがすごい!はじめ、作者さんは「とりあえず2巻は出る予定だけど、ネタが続くかどうかはわからない…」的なことを言ってましたけどね。もはやジャンプにおいてなくてはならないものになってます。

物語は、斉木楠雄という生まれつきあらゆる超能力を持っている高校生男子の日常の話。その超能力の受け取り方がまずシュールですよね。

僕はすべてを奪われたんだ!!

というセリフがあまりにうまくハマっていて、「なるほど~!」って感心してしまいました。楠雄がいかに苦労してきたか、常人だらけの生活空間の中で、何かを成し遂げる達成感も、誰かの気持ちが分からなくてドキドキすることもなく、生きてきた楠雄。誰もが憧れる“透視”は、透けすぎて筋肉・内臓・血管まで丸見えになっているらしいし、毎日周りの人間の心の声が聞こえまくっているからどんな展開でも予想できてしまうし、うっかり何かに直接触ってしまったら、それをつくった人間・触った人間たちのあらゆる出来事が見えてしまってげんなりするらしい。超能力って誰もが1つくらい持ってみたいと思うものだけど、逆にあらゆる力が集中したらこんなクールボーイができあがってしまうんでしょうか。この漫画が始まったあたりの漫画の中では、着眼点が新しかったですよね。唯一心を読めないのが燃堂だっていうのもまた…何も考えてない人間の思考は読めない。実にシンプルに笑えてくる。平和に過ごしたいのに過ごさせてくれないクラスメイトとの関係も、楠雄本人はそれなりに楽しんでいたりもするのがまた憎い演出。

実は優しい楠雄が素敵

楠雄って、「あらゆることは、やろうと思えばいつでもやれる」という状態で、それをあえてやらなかったわけじゃないですか。いつでもできるから、という理由ではなく、そんなことをして自分が世界に君臨したところで、何が面白いかわからない、といったことを第1話で言っていました。人を滅亡させたところで意味がないですもんね。良心的な奴でよかった…笑。大好きなスイーツも食べられないし、人は生きてさえいればいつでも革新的な発明をするからね。その恩恵にあずかれないなんて、もったいなさすぎる。世界滅亡させたらギャグ漫画崩壊なのでそんなストーリーにするわけないんですけど。

結局は、楠雄って非常に優しい男じゃないですか?あんなバカップルな自分のことしか見えていないような親の元に生まれて、すべてを受け入れて生きているというのが優しい。タイトルにあるように、楠雄は常に周囲のトラブルに巻き込まれていくんですけど、楠雄が巻き込まれてしまうというより、なんだかんだ楠雄の超能力以外の部分の理由で災難を招いている…ような気もしなくもない。クール気取ってても断れない性格が一番の原因だよ?笑 

父親と母親の夫婦喧嘩だって、めんどくさいと思いながら仲裁させてくれる。友だちは本当にバカとアホ、ぶっ飛んでいる知性と精神の持ち主ばかりで、何も楠雄から友だちになりたいだなんて言ったわけじゃないのに、なんだかんだ巻き込まれて、災難だと言いながら最後までやり切っている。君だから物語は最高におもしろいよ。相手の心が読めても、自分の行動を基にどう解釈するかはわからないみたいだし。結局は楠雄が招いているのよね~。

ぼっち同士がいつの間にかお友達になっている

楠雄は一人でいるのがまったく気にならないタチだったわけですが、クラスからハブにされるわけでもなく、目立ちすぎるわけでもなく、ただそこに自然と溶け込んでいます。あれだけ強烈な見た目をしているのに、まったく感知されないのは楠雄の超能力による刷り込みのおかげ…それなら友だちみんなそうすればいいのに、やらないのが優しい楠雄です。

そんな楠雄を一方通行に友だちだと言い切る燃堂と海藤。こいつら本当にネタに事欠かない。燃堂の強烈すぎる容姿ならどんな話題も相当笑えるし、海藤の中二病は実に残念でいつも最高の笑いを届けてくれます。楠雄はこんなやつらどうでもいいと言いながら、燃堂や海藤が貶められるようなイベントが起きた際には、ちゃんと助けてくれるんですよ!!楠雄、いい子!!さりげなく超能力でやってることですが、それを抜きにして、ちゃんと楠雄を友だちだとぐいぐい来てくれるこの2人は、本当に貴重な存在ですよね。助けてやってるから成り立っているのでなく、ただの楠雄を強烈に友だち認識してくれているのですから…ただのギャグ漫画なのに真面目で考えるのもあれですけど…

まぁ、これはただ単に、すでにグループ化されたクラスメイト達の中で1人でいる奴っていうのは、1人でいるしかない奴に強烈な仲間意識を持たれやすいってことなんですよ。はみ出し者同士、仲良くやろうぜ的な。あるよね~…そこからトラブルに巻き込まれるたび、クラスメイトと親睦を深める羽目になっていく楠雄。大丈夫、目立ってない。いつでも記憶を操作すればいいのさ。

心が読めるのが一番怖い

楠雄の超能力は本当に多岐にわたり、サイコメトリー、念力、念写、何でもかんでもできます。ただ、人にとって一番怖いのは心を読まれることだなーーと毎回思ってしまいますね。どんな些細な考え事もばれている。これではどんな嘘も通じないから怖すぎます。果たして燃堂のような人物がこの世に何人いるのか…世の重要なポストにいる人物ほど頭のいい人ばかりだからね。絶対悪さできない…!

ただね、やっぱり期待してしまうのは楠雄の恋なんですよ。今までまったくそのそぶりを見せず、醜さ丸出しの心の声を前に、誰かと恋をしようなどとは思えないという楠雄。でもね、佐藤くんみたいにすべてが平均的で思考も普通な誰かっているんじゃない?そして、あの指輪をはめたときは心の声が聞こえなかった…というこの多大なるフリ。絶対誰かと結婚したらいいんだよ!!って思ったよね。そしたら指輪つけてる間は考えが読めないし、常人の生活ができるじゃないか。いつかそのポイントへと終着点をもってきてくれるのではないだろうかと今から期待してしまっています。あの回では完全に照橋さんのせいで巻き込まれてダメだったけど、楠雄の全力投球をいつか見てみたい…!

コミックでは細部までおもしろい

コミックで一気読みするときは、本編も楽しいけど、話の間にあるあの0.5ページ足らずの笑いに常にやられるよね。あの、余談だけど…の具合がちょうどよすぎてたまりません。シメのサイドストーリーです。

20巻以上出てますけど、楠雄の災難はまだまだとどまるところを知りません。いつでも安定のおもしろさを誇ります。ネタ、どうやってるんだろ?今となってはキャラが相当増えて、面白くしてくれる強烈キャラだらけになりました。主軸は常に楠雄にありますし、ブレも少ないのが嬉しいです。今後に関しては、能力者がチラホラ参戦し始めてるのがなんだかんだキーになりそう。楠雄の面白すぎる日常のシメを、いったいどう仕上げるのだろう?って考えると、能力者同士のくだらない対決が世界的に波及する何かが起こるか、普通に卒業おめでとう完結タイプか…いずれにせよ、楠雄の優しさの集大成と華麗なるオチがみれることをとにかく期待しています。サラッと去るのだけはやめてほしい!

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他のレビュアーの感想・評価

超能力者だって苦労するんだなって思う

できるからこそ選択しないこの「斉木楠雄のΨ難」はかなりのご長寿漫画。ジャンプの中で安定の笑いを取り、楠雄の魅力はあのスペースの中で上手に輝いている。斉木家のおかしい日常に、クラスメイトたちのぶっ飛んだ毎日。どれもがおもしろく、詳しくなるほど、新キャラ出るほど厚みを増している。作者が当初続くかどうかわからないと言っていたのが嘘のように、今ではそれがないジャンプってほぼないよね…という勢いでいつもそばにいてくれている。斉木楠雄という、超能力者として生まれたとある男子高校生。彼はその能力によって“すべてを奪われた”と言っている。自分の周りには普通の人たちしかいなくて、自分だけが最強の超能力者。みんながあらゆる漫画で必ずと言っていいほど憧れる、すべてを手にした男であるはずなのに、どうして彼は不幸せだと感じているのか?よく考えてみれば、自分だけが最強で、何が楽しいんだろうね?ってことだ。何かを成...この感想を読む

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超能力者の苦悩

超能力者を主人公にした映画や漫画、小説などはたくさんあるが、多くの作品は超能力者になりたくなるようなつくりかたをしています。しかし、このマンガは初めから超能力者なんかになりたくなかったと始まります。その始まりに惹かれ読み始めました。テレポートやサイコメトリーなど、超能力者と言われるもののほとんどを使える楠雄ですが、サイコメトリーは見たいもの以上のものが見えてしまいます。コロッケ定食を頼みお皿に触っただけで、キャベツを切るおじさんが見え、そのおじさんがキャベツに向かってくしゃみをするシーンまでもが見えてしまいます。使い回しの箸なんてもってのほかです。綺麗に洗われていても前に同じ箸を使った人が食べている姿がどアップで映し出されます。そのためわからないほどの薄い手袋を24時間つけていなければならないのです。それを見たときになりたかったはずの超能力者にはなりたく無いと思ったものです。なんでも平均...この感想を読む

3.53.5
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  • 553文字

初めて単行本を買う人にオススメです

斉木楠雄のサイ難は、私が初めて単行本で読んだ漫画です。この漫画は、並んでいるとまず、色が綺麗なのでそこから惹かれます。表紙から、髪の毛ピンクで、頭に変なのついてる.....って思いました。しかも、超能力者らしい。普通は憧れる超能力者、それがあまり良くない存在だなって思えるマンガです。男子は誰でも超能力者があったら、あんなこと...とか、思うのがそれを逆に飽きたと言える超能力者、羨ましいのか....そこに夢があるのか....主な登場人物は超能力者の斉木楠雄、超能力でも読み取れないほどバカな燃堂、厨二病な海堂、密かに斉木楠雄に恋をしてるつもりが超能力で読み取られている広瀬心美、熱すぎる松岡修造のような灰呂、あとはラブラブな両親。濃いキャラが目白押しの主人公。斉木は、超能力が強すぎるので体育などでも、常人の力に合わせる必要がある。そこがすごく大変そう....基本はギャグマンガなので、しっかり、ツッコミも書いてあ...この感想を読む

5.05.0
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